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どうぶつ

子猫2匹を自宅へ ドイツで猫との生活を始めた日本人男性が振り返るドタバタお迎え劇

公開日:  /  更新日:

著者:島崎 英純

帰り道でいきなりアクシデント発生! 自宅に着いてからはお風呂場へ直行

 のどかな田舎町の一般道路を抜けてアウトバーンに入ると、子猫たちの鳴き声が一層大きくなっていきます。と、ここで助手席に座る友人が一言発しました。

「何か、車内に臭いが漂ってない?」

 どうやら子猫のどちらかが、“大きな方”を催してしまったようです。これは大変と、次のサービスエリアに急遽立ち寄ってキャリーケースの中をうかがいました。確認したところ、下地に敷いた白いタオルに黒い物体がドサッと広がっています。急いでサービスエリアのお店に入って飲料水を買い、トイレでトイレットペーパーを少し拝借してキャリーケースとタオルの洗浄を行いました。

 それでもすべてをきれいにはできないので、とりあえずタオルは予備のものと入れ替え(念のために用意しておいて良かった……)、ほのかな香りが漂う車内で深刻な表情を浮かべる大の大人2人が冷や汗をかきながら帰宅を急いだのでした。

 思わぬハプニングだけでなく、慎重な運転や渋滞にも遭遇した結果、譲渡元の農家から自宅までは約4時間半もかかってしまいました。子猫たちは相変わらず鳴き続けていて、落ち着きがありません。

 車の駐車をひとまず友人にバトンタッチした僕は、キャリーケースを抱えて地上4階の最上階にあるアパートメントの自宅へと2段飛ばしで階段を駆け上って到着! そして、すぐさま追い付いた友人とともに浴室に向かい、う○ちまみれの子猫たちの体をシャワーで洗う作業に勤しんだのでした。

 子猫たちにしてみれば、いきなり知らない場所に連れてこられて苦手な水浴びを強要させられるという耐えがたい苦痛……。ああ、もう、初対面から嫌われたに違いない。

 前途多難な猫との共同生活初日。猫を自宅へ迎え入れるまでの話はもう少し続きます。

(島崎 英純)

島崎 英純(しまざき・ひでずみ)

1970年生まれ。2001年7月から2006年7月までサッカー専門誌「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画出版社刊)編集部に勤務し、Jリーグ「浦和レッドダイヤモンズ」を5年間担当。2006年8月にフリーライターとして独立。2018年3月からはドイツに拠点を移してヨーロッパのサッカーシーンを中心に取材活動を展開。子どもの頃は家庭で動物とふれあう環境がなかったが、三十路を越えた時期に突如1匹の猫と出会って大の動物好きに。ちなみに犬も大好きで、ドイツの公共交通機関やカフェ、レストランで犬とともに行動する方々の姿を見て感銘を受け、犬との共生も夢見ている。