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会話力向上の近道「結論サンドイッチ」とは? 現役アナが伝授する伝わる話し方
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暑い夏も終わり、秋の到来ですね。コロナ禍の規制も次第に緩和され、食、芸術、スポーツなどを楽しむことがこれから増えてきそうです。特に今まで「距離」があった人との交流や会話も盛んになるでしょう。また年度後半に向けて、プレゼンテーションやディスカッションなど人前で説明や考えを伝える機会が増える人もいるのでは。相手に分かりやすく話をするのが苦手という人に、心がけるだけで伝わりやすくなる話の組み立ての「型」を、現役アナウンサーの和田奈美佳さんが解説します。起承転結だけではない! 「伝わる」話し方の秘訣とは?
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2部構成の「結論サンドイッチ」 内容はシンプルに!
こんにちは。フリーアナウンサーの和田奈美佳です。松尾芭蕉や芥川龍之介は日本ならではの文化や四季を俳句に乗せ、繊細に表現していました。ご存じの通り俳句は、季語(有季)及び五・七・五(十七音)を基本としていますが、これは「会話力向上」とリンクする部分が多いのです。
過ごしやすい気候になり人との交流も増え、思いを話したり、説明したりする機会が増えるかと思います。相手に伝わる基本的な話の組み立て方として、次の2つがよく知られていますよね。まず、それぞれ解説していきます。
○「起承転結」
起(内容の始まり、導入部分)、承(導入の続き)、転(転換)、結(結果)の4部構成。冒頭で聞き手の興味を引き、物語のように心に残る話を展開していく手法ですが、デメリットとしては話が長くなる可能性が高い点です。結論が最後なので、そこに至るまでに時間がかかり、聞き手が飽きてしまうだけでなく、話し手自身も混乱してしまうことがあります。
○「序破急」(じょはきゅう)
序(スタート・導入部分)、破(展開)、急(結論・クライマックス)の3部構成。まず導入部分でテーマを明確に打ち出し、テンポよく持っていきたい時などには有効です。ただ一つ注意点としては、導入部分では結論が分からないこと。あくまでも導入はテーマの投げかけであり、聞き手はその時点で答えを見出すことができません。最後まで聞いた上で、やっと話のゴールが見える組み立て方です。
この2つは、端的に説明して聞き手に伝えることが大切になるプレゼンテーションやディスカッションのシーンでは、飽きられてしまうことがあります。会話において、話し手が一番言いたいことは何なのか、聞き手が一番聞きたいことは何なのか。その本質さえ掴めれば、もっと近道をする話し方でも良いと思います。