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「卵」から考える持続可能な暮らし 米国在住の日本人女性が伝える循環社会のヒント

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

我が家で人気の失敗なしの半熟卵 殻はどう活用?

お手製の半熟卵を使ったお弁当【写真:小田島勢子】
お手製の半熟卵を使ったお弁当【写真:小田島勢子】

 いろいろな食材と合い、料理のアレンジ幅が広い卵。ここでは卵そのものを楽しむ「失敗しない半熟卵の作り方」をご紹介します。

【半熟卵の作り方】(生卵4個分)
1. 鍋でたっぷりのお湯を沸かし、沸騰したら冷蔵庫から出した冷たい卵をおたまで静かに入れる
2. 中火で、やわらかめの半熟にしたい場合は7分30秒、7割の半熟は8分30秒茹でる
3. 茹でている間、水をたっぷり張ったボウルに保冷剤や氷などを投入して冷たい水を作り、時間がきたらそこに卵を入れて3分冷やす
4. 卵の殻をむく

 すぐに食べない場合、皮をむかなければそのまま冷蔵庫で1週間ほどは保存可能。殻に鉛筆で日付と、茹で卵と分かる印を付けておくと良いでしょう。

 私はこの半熟卵を、味付けを変えて「しみ卵」「ピクルス」「半ハチミツみそ漬け」などにすることもあります。また梅酢やザワークラウト、ぬか漬けに漬け込んだり、塩麹でマリネしたりしてもおいしいです。日持ちもするので、急いでいる時のお弁当や普段の食事の一品にもなります。

卵の殻を細かく砕いたもの。掃除や畑の栄養などに役立つ【写真:小田島勢子】
卵の殻を細かく砕いたもの。掃除や畑の栄養などに役立つ【写真:小田島勢子】

 卵料理の後に残った殻は、細かく砕いて研磨剤や漂白剤の代わりとして掃除などに使ったり、庭での土壌改良、虫除け、動植物の栄養にしたりと、その使い道は実にさまざまです。花瓶や水筒など口が狭く細長いタイプの容器の汚れや、お鍋やフライパンにこびりついた焦げ付きなどを落とすことができます(主に鉄や土鍋は◎、テフロン加工は不可)。

 また近年、殻の栄養価も注目されており、その加工方法もワークショップ内でお伝えしています。ぜひ殻も捨てず活用し、「卵のある暮らし」を楽しんでください。

 卵だけではなくすべての食材において、いただき、暮らしに役立て、命を循環させていく――。小さな一歩かもしれませんが、この積み重ねと流れが、これからも地球に住むたくさんの人たちに届くといいなと大きな夢を持ち、今日もキッチンに立っています。

(小田島 勢子)

小田島 勢子(おだしま・せいこ)

ナチュラリスト。結婚を機に2004年に南カリフォルニア州へ移住し、3人の女の子を米国で出産。ロサンゼルスの片田舎でバックヤードに鶏たちと豚のスイ、犬のトウフとともに自然に囲まれた生活を送る。母になったことをきっかけに食や環境の大切さを改めて感じ、できることからコツコツと、手作り調味料や発酵食品、スーパーフードやリビングフードを取り入れた食生活をメインに、食べるものは「できるだけ子どもと一緒に作る」「残さない」がモットー。2015年に「RUSTIC」を設立。日本で取得した調理師の知識や経験を生かして食のアドバイザー、ライフスタイルのコーディネーターとして活動。日米プロスポーツ選手やアクション映画俳優の身体作りのアドバイザー、みそ、お酢、漬け物など発酵食品作りの講師、創作料理のケータリングなど幅広い分野で活躍。
https://rusticfarmla.com/