からだ・美容
思春期の肌荒れ ゴシゴシ洗顔は逆効果 ニキビ跡に有効な治療法は? 医師が解説
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:佐藤 卓士
マスクの蒸れでアクネ菌が活発化 ガーゼを挟むなど工夫を
第3回で辻医師が解説したように、マスク内は高温多湿で肌にとっていい環境ではありません。呼吸によって蒸れているので、ニキビのもとになるアクネ菌の繁殖も活発化しやすい状況です。マスクで肌がこすれますので、バリア機能も低下して肌荒れしやすいのです。
感染予防の観点からいえば、不織布マスクがおすすめなのですが、肌荒れしている時はあまり良くありません。布製マスクにするか、不織布マスクの下にガーゼを入れるなどして肌に触れる部分を天然素材のものにするといいですね。
素肌に直接着けるよりは、乳液などで肌を保護してからマスクを着けると摩擦を軽減することができます。肌に密着する部分を減らす工夫もしてみましょう。当然ながらマスクは毎日交換し、清潔なものを使ってください。
ニキビ跡にはビタミンCが有効 残ってしまったらレーザー治療も視野に
ニキビのでき始めは、毛穴に皮脂が詰まった状態なので指でつぶしてしまう人もいますが、NGです。悪化するだけでなく、跡になりやすいので決して触らないことです。
ホルモンバランスが安定するまで、ケアをしていても繰り返しニキビができるかもしれません。同じところに繰り返しできると肌が赤くへこんだ状態になる恐れも。
治りにくいニキビや、跡になってしまったらまずは皮膚科を受診しましょう。でこぼこした跡を自力で治すことは難しいので、内服薬やレーザーを使ってきれいにしていきます。
ニキビ跡の治療は、ホルモンバランスが安定し、ニキビができにくい年齢になってからでも遅くはありません。容姿が気になる年頃ではありますが、肌荒れ進行中の時に治療をしてもまたできてしまっては意味がありませんので。
まずは生活習慣、食生活、スキンケアを見直してニキビができにくい肌環境を整えましょう。これは思春期のお子さんだけでなく、肌荒れに悩む大人も同じことなので、親子で取り組んでみてください。
(岩淵 美樹)
佐藤 卓士(さとう・たかし)
1970年4月7日生まれ。九州大学医学部卒。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む。医学博士、日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。2018年よりアヴェニュー表参道クリニック院長として、形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験を基にわかりやすい説明を心がけ、日々診療を行う。