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秋の味覚はなぜ「芋・栗・南京」? 気になるカロリーと栄養 1日の適量は
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教えてくれた人:和漢 歩実
秋になるとよく見かける「芋・栗・南京」という言葉。「いも、くり、かぼちゃ」や「いも、くり、なんきん」と読み、秋の味覚の代表であるサツマイモと栗、カボチャを指します。そもそもその由来は何なのでしょうか? また気になるカロリーなどの栄養面や食べる適量について、栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。
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江戸時代に“女性が好きなもの”といわれていた?
暑さがやわらぎ過ごしやすいこの時期は、「読書の秋」や「芸術の秋」、「スポーツの秋」など活動的な表現が用いられます。さらに「実りの秋」であり、「食欲の秋」。旬の食材がたくさんあり、食べ物がおいしい季節ですよね。
秋の味覚として、よく見聞きする「芋・栗・南京」。秋スイーツもこれらの食材を使った商品が並びます。この言葉の由来には諸説ありますが、そもそもは、江戸時代に女性が好きなものとして「芝居蒟蒻芋南瓜(しばい・こんにゃく・いも・かぼちゃ)」など語呂よく並べた言葉が関係しているとか。そこで食欲の秋になると、人気のあるものとして「芋・栗・南京」が使われることになったようです。
昔の砂糖は高価だったため、食品自体に甘みのある食べ物が人気だったのでしょう。江戸時代、サツマイモは栗と比べられることが多く、庶民からは別名で「八里半(はちりはん)」と呼ばれ、「おいしいけれど、栗(九里)にはわずかに及ばない」といわれたことも。
注目されるようになったのは、江戸から「十三里」離れた川越(現在の埼玉県川越市)で作られたサツマイモがきっかけです。「栗(九里)より(四里)うまい、十三里(9+4=13)」として売られ、人気を集めました。
カボチャの収穫は夏ですが、長期保存がきくことから貯蔵され、昔は寒い季節を乗り切るための貴重な野菜でした。ちなみに京都では「カボチャ」、江戸では「トウナス」、大阪では「南京(なんきん)」と呼ばれていました。カボチャという名は、16世紀頃に日本へ渡来した際にカンボジア産と考えられていたことが由来のようです。