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火災保険の改定「知らなかった」は約4割 値上がりする保険料を低く抑える工夫とは?

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

災害保険に加入することのメリットや思わぬ落とし穴とは…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
災害保険に加入することのメリットや思わぬ落とし穴とは…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 毎年多くの災害に見舞われる日本。“災害大国”とも呼ばれるこの国で生活する上で、万が一の備えは無視できないものです。また近年は、南海トラフ巨大地震や首都直下地震への備えも広く呼びかけられています。そうした“もしもの時”、被害を補償してくれるのが「災害保険」です。そこで、全国のYahoo! JAPANユーザー2000人を対象に、災害保険に関するアンケート調査を実施しました。集まった回答を基に、災害へのリスクヘッジについて考えます。解説はファイナンシャルプランナーの資格を持つフリーアナウンサー、橋浦多美さんです。

 ◇ ◇ ◇

火災保険のメリットは「とにかく補償範囲が広いこと」

 災害保険は、火災や風水害などに備える「火災保険」と地震に備える「地震保険」の2種類に分けられます。近年は賃貸住宅の入居時にも加入を求められることが多いため、幅広い世代にとって身近なものでしょう。

 今回のアンケートでは、回答者の年代割合が20代3%、30代13%、40代30%、50代31%、60代以上21%となっています。まずは、「火災保険への加入にあたり補償対象にしたもの」と「火災保険の補償内容として重視した災害の種類」を問う設問から見てみましょう。

【火災保険で補償の対象にしたもの】
1位「建物と家財の両方」(56.4%)
2位「建物」(33.8%)
3位「家財」(9.9%)

【火災保険の補償内容として重視した災害の種類】
1位「火災」(96.8%)
2位「強風・暴風・竜巻」(27.8%)
3位「水難」(27.3%)

 上記の結果からは、建物と家財のどちらかではなく“どちらも”補償範囲に含めておきたいという意識がうかがえます。また火災の発生理由には、災害以外に事故や放火も考えられるため、備えの意識が強いようです。

 橋浦さんによると、火災保険加入のメリットは「とにかく補償範囲が広いこと」。火災事故やさまざまな自然災害だけでなく、水漏れ、爆発、盗難、暴力行為による損害までカバーされるため、何かあった時に補償される確率が高いそうです。

 実際に火災保険の補償を受けたことがある人に補償内容を尋ねる設問でも、一見「火災保険と関係ないのでは?」とも思える意外な回答が挙がっています。

「『火災』とあるので火事や風水害が対象と思っていたら、当て逃げされた外壁の損傷にも使えた」
「家の中で不注意で物を落とし破損させた被害に対して保険金を出してもらえた」
「洗面台を自分の過失で壊してしまったが、補償を受けることができた」
「太陽光パネルの設置工事ミスによる雨漏り修理」
「自転車が盗難された際に、補償を受けることができた」

 ただし火災保険のデメリットとしては、金銭的な負担の大きさなどが挙げられます。

「保険料が家計の負担になることがあるということですね。この10月にも火災保険料の値上げがあったばかりです。また、築年数が古い住宅は耐火構造の観点から保険料が高くなる場合があることや、保険の内容が理解しづらく複雑であることなども挙げられるでしょう」

地震保険にもセットで加入している人の割合はほぼ半数

 続いて、地震保険について。この保険は単体で加入できず、火災保険とセットで入ることが条件です。地震保険への加入状況を問う設問では、加入者の割合がかろうじて5割を超える程度でした。

【地震保険への加入状況】
「加入している」(55.0%)
「加入していない」(45.0%)

 橋浦さんは地震保険の「公共性の高さ」を指摘します。他の保険と異なる運営方式のため、保険金支払いに不安がないのだそう。また、火災保険でカバーできない部分が補償されることなどを大きなメリットとして挙げます。

「地震保険は『地震保険に関する法律』に基づき、政府と損害保険会社が共同で運営している公共性の高い保険です。つまり、保険の内容はどの保険会社でも同じで、保険会社の経営状態などによって保険金支払いが危うくなることもありません。メリットは、火災保険でカバーできない部分が補償できること、公共性が高い保険のため保険料に利潤が含まれていないこと、火災保険の加入期間の途中でも追加で加入できることです」

 一方でデメリットとしては、火災保険のみの加入に比べて保険料が増えることや、地震発生リスクが高い地域では保険料が高く設定されていることがあるそう。やはり家計への影響が大きいため、必要と分かっていても加入の判断が分かれているようです。

 しかし橋浦さんによると、災害保険料を低く抑える方法はいくつかあるのだそう。

「各保険会社が設定している『条件割引制度』を使う方法です。保険会社が提示する条件に該当すれば、割引が適用されることがあります。例えば火災保険なら、築年数が浅く低リスクな場合は保険料が安くなるという『築年数割引』。また、オール電化で石油ストーブやガスヒーターを使用しない場合や、建物内で喫煙をしないと申告をした場合の割引などもあります」

 地震保険でも、建築年や耐震等級、免震建築物、耐震診断でも各種の割引が。耐震証明書などの必要書類を提出する必要はありますが、まずは適用されるかどうかを確認してみてはいかがでしょうか。