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火災保険の改定「知らなかった」は約4割 値上がりする保険料を低く抑える工夫とは?
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火災保険の長期契約には思わぬ落とし穴が
災害保険は基本的に、単年よりも複数年契約の方が保険料は安くなります。何年で契約しているケースが多いのか、アンケートの結果を見てみましょう。
【火災保険の契約期間】
1位「10年」(36%)
2位「1年」(21.1%)
3位「5年」(18.3%)
上記の結果からは、長期間で契約し保険料を安くしたい、またはまとまった資金の捻出が難しいので1年ごとに少しずつ払いたいという2つの傾向に大別されているようです。
「災害保険の保険料を安くする方法には、加入する際に契約した年数分を一括で払うというものがあります。今回の回答で『10年』が35%超と最多になった背景には、恐らく一括払いを選択して安くしている方が多いのでは。ただし、火災保険は2022年10月の値上げと同時に、契約年数が最長10年から5年に変更されているので、今後は5年払いが増えていくと思われます。また地震保険も最長で5年です。
2番目に多い『1年』は、まとめて支払うのがお得だとは分かっているものの、まとまった資金を捻出するにはやはり目先の支出になるので、少しずつ払いたい、家計のやりくりが分かりやすいという方が多くなったと推測します。この場合、目先の支出は少ないものの、総額では一括払いよりも多くなるので注意が必要です」
では、まとまった資金さえあれば、保険料を安く抑えられる長期契約が賢明なのでしょうか? 橋浦さんは「必ずしもそうではない」と指摘します。
「災害保険に限らず、保険には“自分に合ったものに見直す”という作業も必要です。長期で保険に入っていると、見直しのタイミングを逃すことも。また1年ずつ保険料を支払う場合には、長期で入る分の金額を資産運用に回すという選択を取ることもできます。自分にはどちらが合っているかをよく考えてから加入しましょう」
今年10月の火災保険改定を受け、保険料負担が増えることに
今年10月に大きく報じられた火災保険の改定。10年契約が廃止され最長で5年になったのをはじめ、保険料が値上げ(一部値下げ)された他、「建物及び家財の水漏れ、破損、汚損についての自己負担額(免責金額)」が引き上げられることになりました。全体傾向としては、契約者の保険料負担が増える改定内容です。そこで見直しを考えた人はどの程度いるのでしょうか?
【火災保険の改定を受け、見直しを考えましたか?】
1位「考えていない」40.1%
2位「(改定を)知らなかった」39.7%
3位「考えた」20.3%
見直しを考えた人の割合が2割にとどまった状況について、橋浦さんは「最近の物価上昇のインパクトが強すぎて、火災保険まで気が回らなかったのかもしれません」と理由を推察します。
「見直しを『考えなかった』が約4割、『考えた』が約2割。この時期が見直しのタイミングだった、または家を住み替えた方などが関心を持たれたのもかもしれません。ただ地球温暖化の影響もあり、自然災害は年々増加傾向。雨の降り方をみても、土砂災害の発生件数などは増加傾向にあります。いずれまた、保険料が値上げされてもおかしくありませんので、見直しの時期に来ている、または災害に備えたいと思っている方は、早めに加入を検討するのも良いでしょう」
また、今回の改訂ではその他、建物及び家財の水漏れ、破損、汚損についての自己負担額が引き上げられています。
「そういった意味でも値下がりする要素があまり見当たりません。いつか入ろうと思っている方は、早めの検討が結果的に安く上がるかもしれません」