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どうぶつ

盲導犬候補の子犬を預かるボランティア 近づくお別れに「バイバイ」を教える日々

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

ハーネスを付けて歩く訓練も ジェニーの成長を感じるひと時に

 盲導犬は、お仕事をしている時は胴輪にハンドルが付いた「ハーネス」を装着します。今回行われたパピーレクチャーでは、質問会とともに、パピーがハーネスを装着して歩く体験も行われました。これまで付けていた首輪とは違うものなので、ハーネスを付けると不安を感じて固まってしまい動けなくなる犬もいると聞き、ジェニーは大丈夫かな……とドキドキ。

 ジェニーは少しだけ緊張したのか、訓練士さんがハーネスを装着しようとした時に嫌がりましたが、私が代わると無事に付けさせてくれました。その後もハーネスを嫌がることなく歩くことができ、うれしそうにシッポも振っていたので一安心。ジェニーの成長を感じるひと時でした。

ハーネスをジェニーに装着する真由美さん【写真提供:日本盲導犬協会】
ハーネスをジェニーに装着する真由美さん【写真提供:日本盲導犬協会】

 私自身も最近、ジェニーと散歩に出た時は安全な場所で目をつぶって歩いてみて、「ああ、盲導犬と歩くってこういう感じなのか」と想像するようにしています。

 訓練を経て、盲導犬のお仕事である「段差の前で立ち止まる」「曲がり角で立ち止まる」「障害物を避ける」の3つを習得するのだと聞きました。今さらながら、それを実践している盲導犬の素晴らしさに気づきます。

 交差点にあるようなほんの数センチのわずかな段差なんて、犬からすればピョンと飛び越えられてしまうもの。そこに気づいて「段差があるよ!」と人間に教えるなんて、本当に賢いですよね。ジェニーにできるかな? と少しだけ心配ですが、ジェニーならきっと立派な盲導犬に成長してくれることでしょう。

散歩中に見える成長ぶり 兄弟犬たちとの楽しそうな姿にも安心

 成長といえば、この1か月ほどでジェニーは目覚ましい成長を見せてくれています。最も成長したなと感じたのは、散歩中のトイレのこと。自分から立ち止まってこちらを見上げ、「トイレしたいな」と教えてくれるようになったんです。

「トイレしたい」と教えてくれるようになったジェニー【写真提供:日本盲導犬協会】
「トイレしたい」と教えてくれるようになったジェニー【写真提供:日本盲導犬協会】

 それまでも何となくこちらを見てくれてはいたのですが、ビニール袋を用意する間にトイレをしてしまうことが多かったんです。でも今はちゃんと知らせてくれて、トイレをしやすい場所に移動するまで我慢してくれるようになりました。

 夜、就寝する時もこれまではケージに入れるのが大変でしたが、「そろそろ寝るよ」と声をかけると自分からすんなり入るように。水を入れるお皿をケージに入れると「もう寝るのね。分かった」というような顔をして、ケージに向かうようになりました。

 先のレクチャーでは、本当に久しぶりにジェニーの兄弟犬が勢揃いしました。覚えているのかいないのか、はしゃぎ方が普段と違うような気が。お散歩で他の犬とすれ違う時の反応と兄弟犬たちとでは、まったく違うんです。

 まるでスキップでもしているようにうれしそうな足取りで、お互いシッポを振りながらクンクンと鼻で呼び合ったりもしていました。もしかしたら、離れ離れになる前に一緒に過ごしていた時期の匂いを覚えているのかもしれませんね。