どうぶつ
盲導犬候補の子犬を預かるボランティア 近づくお別れに「バイバイ」を教える日々
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生理も始まり、大人への階段を上ったジェニー
最近になって、いよいよジェニーに生理(ヒート)が。思っていた以上に出血したため、お腹が痛いんじゃないだろうか、つらくないだろうかと心配で心配で仕方ありませんでした。子どもたちも不安になったのかジェニーを毛布で巻いて、お腹を温めてあげたり撫でてあげたりしていましたね。
ジェニーは女の子なので、生理が来ることは日本盲導犬協会の担当者さんからもちろん聞いていました。ですが、いざとなるとやはりドキドキ。娘の下着を履かせて応急処置をして、その後は生理用のパッドを付けています。
ただ、こうしてジェニーと楽しく暮らせるのもあとわずか。別れの日を考えるだけで涙があふれそうになります。
犬を飼ったことのない我が家でパピーが暮らしても、本当に良いのだろうか? 子どもたちに不安な思いをさせないだろうか? と不安だらけの中でスタートしましたが、今となってはジェニーも大切な我が家の一員。ジェニーも含めて「6人家族」が当たり前になっています。ジェニーのおかげで家族に共通の話題が生まれ、絆も深まりました。
子どもたちもお別れの日は知っていて、理解はしているようです。私もできるだけ明るく「あと少しだね」と話すようにしていますが、できれば考えないようにしたいと思う自分もいます。
ジェニーは、私にとって癒やしの存在。ジェニーがいなくなったら……私はどうなってしまうのでしょうね。
実は少し前に私だけが外出した時、ジェニーはずっと玄関で私のことを待っていたそうなんです。3~4時間くらい家を空けていたのですが、その間は玄関から離れなかったらしくて。こんなにも私のことを信用して、愛してくれるジェニーに「もうすぐお別れなんだよ」と言葉で伝えられないことを、今とてももどかしく感じています。
このもどかしさをどうにかしたくて、最近はジェニーの顔を見て「バイバイ」と伝える回数を増やすようにしています。子どもを学校に送る時も、子どもに「いってらっしゃい」と声をかけてから、ジェニーの顔を見て「バイバイなんだよ」と伝えています。
「バイバイ」はしばらく会えなくなるという意味だと、ジェニーに教えるために。
残された時間は短いですが……ジェニーにはこれまで以上にたくさんの愛情を注いであげたいと思います。
(和栗 恵)