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どうぶつ

盲導犬候補の子犬がついに旅立ち 約10か月を見守ったボランティア一家の奮闘記

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

パピーたちとの別れの時が近づく

 そしてそれぞれの家族に修了証が手渡され、集合写真を撮影。青空の下、雪化粧をした富士山が、出席した家族とパピーたちを祝福してくれているようでした。

 お別れの時が近づいてくると、古澤さん一家が預かっていたジェニーは、空気を察したのかもしれません。訓練士の手から逃げるようにパパの後ろへ。ママの真由美さんのサポートで何とか家族のもとを離れ、未来の盲導犬としての第一歩を力強く踏み出しました。

ジェニーを抱きしめてお別れを告げる真由美さん【写真:Hint-Pot編集部】
ジェニーを抱きしめてお別れを告げる真由美さん【写真:Hint-Pot編集部】

 その後、「富士ハーネス」のスタッフの方から閉会の挨拶があり、修了式は閉会。その挨拶の言葉はとても印象的でした。

「私たちより寿命が短い犬にとっての1年は、人間が感じる以上に長く濃いもの。その時をともに過ごしてくださって、本当にありがとうございました」

 一般的に大型犬の寿命は8年から12年ほど。生まれてからの1年間で、人間なら12歳くらいの年齢まで成長するといわれています。幼稚園から小学校を卒業するまでの多感な時期を、ボランティア家庭の中で見守られ、愛されながら、たくさんの驚きや楽しみとともに過ごすことがいかに大切か……改めて実感することができました。