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英国はクリスマスの準備が早い? デコレーションとクリスマスシーズンの過ごし方
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英国流を楽しむならヤドリギとクラッカーがポイント
ちなみに英国ではヤドリギを天井から吊るして飾りますが、これもキリスト教以前からの風習です。ヤドリギはケルト民族の宗教で聖なる木とされ、永遠の愛だけでなく怪我を直すなどのパワーがあるとされました。これが異教的で、今も大きな教会では教会内にヤドリギを飾らないところもあります。
しかしヴィクトリア時代になると、吊るされたヒイラギから男性が実を取って女性に渡しキスをする習慣ができ、実がなくなるまで人はこの下でこのようにキスをすることができたそうです。「サンタがママにキスをした」という古い米国の歌にあるように、今でもヤドリギの下では誰でもキスをして良いということになっています。
そして最後にご紹介したいのがクリスマスクラッカー。英国とコモンウェルスの国にしか見られないキャンディのような形のクラッカーは、英国東部ノーフォーク州の菓子職人から始まりました。
中には紙製の王冠とクイズなどが書かれた紙、そしておまけが入っています。箱の裏に中のおまけの写真があるので安心ですが、値段の差は大きく安いものはプラスチック製のおもちゃ、高いものはシルバー製品や時計が入っていたりと千差万別です。
使う時は全員が輪になって、それぞれ両手にクラッカーの端を持ち、腕を体の前でクロスさせます。両隣の人のクラッカーの端を持ち、輪になってつながった形で一斉にクラッカーを強く引きます。パーンという音とともに中身が飛び出しますので、おまけとともにクイズを読み上げて楽しみます。
(スチュワード麻子)
スチュワード麻子(すちゅわーど・あさこ)
日本紅茶協会認定シニアティーインストラクター、日本茶インストラクター、日本茶大使。テムズ・ヴァリー大学・英国パティスリー&コンフェクショナリー・シェフズ・サーティフィケート取得。英ロンドンの紅茶会社を経て、「インフューズ・スクール・オブ・イングリッシュ・ティー」主宰。「ティーアカデミージャパン」代表。レストランやティールームの紅茶コンサルタント業務を行う。紅茶をテーマとした講演・執筆などでも活躍中。著書に「英国スタイルで楽しむ紅茶」(河出書房新社刊)などがある。