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自分の思い次第で里山カフェに 米在住ナチュラリストの家と暮らしへのこだわり

公開日:  /  更新日:

著者:小田島 勢子

キッチンには子どもたちと作った簡易棚が【写真:小田島勢子】
キッチンには子どもたちと作った簡易棚が【写真:小田島勢子】

 米ロサンゼルスの住宅街で夫と娘3人、鶏、犬たちと“田舎生活”を送るナチュラリストの小田島勢子さん。築70年になる平屋の小さな家には、少しずつ揃えたお気に入りのキッチンアイテムがぎゅっと詰まっています。若い頃は「日本の里山でカフェを開く」ことが憧れだったという勢子さん。実際の環境は異なっていても、思いがあれば今いる場所で暮らしを楽しむことはできるといいます。

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ロス郊外にある住宅地に家族5人で“田舎生活”

 もうすぐ2022年が暮れようとしています。皆さんにとってどんな年になったでしょうか。この数年続くコロナ禍は、環境もお付き合いする人も、心も体も、すべてに良くも悪くも変化をもたらしました。

 私自身、この大きなうねりの中で「原点に戻る」ことを考える機会が多々ありました。今回は、私の今の原点となる「ロサンゼルスの家」のこと、そして今の暮らし方の原点といえる「若い頃の憧れ」についてお伝えしたいと思います。

 私の住んでいる築70年の平屋の小さな家は、ロサンゼルスの中心から車で30分ほど離れた場所にあります。郊外とはいえ、それぞれの家の敷地は米国の一般的な面積と比べると小さく、庭はあるものの家がひしめき合って建っています。

 自宅から10分ほど歩けば地元スーパーマーケットやレストラン、ドーナツ屋さん、コーヒーロースターなどがあります。車の交通量も多い住宅街ですが、裏庭に小さな畑を作って野菜を育てながら、7羽の鶏とともに暮らしています。

 SNSで配信する我が家の生活の様子から、私たち家族が都会からかなり離れた田舎の土地で暮らしているように思われることがよくあります。しかし、実際に我が家に初めて訪れる人は皆、周辺の環境がイメージとまったく違うと驚きます。

 ただし一歩家に踏み入れると、やはり「田舎」のイメージに。裏庭の鶏の声と緑の多さに場所を忘れ、実際の暮らしぶりをよく知る友人からは「田舎のおばあちゃんの家にいるようだ」といわれています。