Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

仕事・人生

元トップスター安奈淳さん 「ベルばら」で感じた宝塚の歴史 「だから不滅と言われる」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・瀬谷 宏

インタビュアー:竹山 マユミ

オスカルを演じながらスーパーマーケットで買い物をしていた日々

今も「宝塚ファミリー」の絆を感じている安奈淳さん【写真:荒川祐史】
今も「宝塚ファミリー」の絆を感じている安奈淳さん【写真:荒川祐史】

竹山:宝塚在団時の失敗談やご苦労はありますか。

安奈:もう失敗談なんて数限りなくあります。たくさん失敗したし、努力家ではないと有名だったくらい。努力しなくてもある程度できてしまうから、そこから努力しないんです。演出家の先生方の間では通説になっていたようで、「あんたは努力せえへんな」ってよく言われていました。

竹山:「もっと上にいけるはず」という期待がかかっていたのでは。

安奈:それは分かりませんけどね。稽古が終わるとみんな残って、ダンスの復習をすることがありました。でも私はそれをやったことがなくて、すぐに帰っていました。

竹山:体力の温存という意図ですか。

安奈:母が寝込んでいることが多かったので、私はその時、家から通っていました。家族以外の人が家の中で世話することを両親が嫌がったものですから、私がオスカルをやりながらも家に帰って、食事を作っていましたね。そういう環境でもあったので、何しろ家に帰りたいという感じでした。

竹山:そんなお忙しい生活を送っていらした安奈さんご自身も、いつの間にか無理が蓄積していたのか、ご病気をされてしまったんですね……。

安奈:私の病気は遺伝ではないと思うのですが、今思えば、母も私と同じ病気だったのかなと思いますね。

<次回に続く>

◇安奈淳(あんな・じゅん)
大阪府出身。7月29日生まれ。愛称は「オトミ」「ミキ」。1965年に51期生として宝塚歌劇団に入団し、花組公演「われら花を愛す/エスカイヤ・ガールス」で初舞台。雪組に配属され、1966年に組替えで星組へ。1970年から鳳蘭とともに星組のダブルトップスターとして活躍し、1974年に組替えで花組でもトップスターに。1975年には「ベルサイユのばら」のオスカル役で人気を博す。1978年に「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラ役で退団。退団後は「屋根の上のバイオリン弾き」「サウンド・オブ・ミュージック」「レ・ミゼラブル」などの舞台を中心に活躍し、2012年に第33回松尾芸能賞・優秀賞を受賞。2014年には「宝塚歌劇の殿堂」の最初の100人の1人として殿堂入りした。現在は歌手としてリサイタルやコンサートを中心に活動し、2019年に芸能生活55周年記念コンサート、2021年にオリジナルリサイタル「Bouquet d’espoir」を開催した他、同年に初の自身のビジュアル本「70過ぎたら生き方もファッションもシンプルなほど輝けると知った」(主婦の友社刊)を上梓。2022年は「Anniversary Concert 75th」(銀座ヤマハホール)、「Anniversary Lunch Show」(宝塚ホテル)を開催。

◇出演情報
Arrow Jazz Orchestra ジャズ&宝塚ボーカルフェスティバル Vol.2 With Blues
【日時】2023年1月22日(日)午後3時(終演同5時予定)
【会場】兵庫県立芸術文化センター 大ホール(兵庫県西宮市高松町2-22)
【金額】S席8000円、A席7000円、B席5000円(全席指定)※未就学生をお連れの方はS席2階のみ
【出演】安奈淳・愛音羽麗・悠末ひろ、ゲスト:上田正樹
【演奏】アロージャズオーケストラ
【お問い合わせ】グリークス(06-6966-6555)


三越創業350年記念コンサート 安奈淳 Jun Anna Solo Concert ~MEMORIES~
【日時】2023年3月21日(火・祝)午後4時(開場午後3時30分)
【会場】三越劇場(東京都・日本橋三越本店本館6階)
【金額】S席1万1000円、A席9000円(全席指定)
【演奏】音楽監督・Piano/雄太、Bass/岸徹至、Drums/ミルトン冨田、Synthesizer/藤山正史、Violin/寺島貴恵
【販売】2023年1月8日午前10時開始 三越劇場(0120-03-9354)、チケットぴあ
【お問い合わせ】(株)Office Anna Jun(03-5315-0842、メール:office@anna-jun.com)

(Hint-Pot編集部・瀬谷 宏)

(インタビュアー:竹山 マユミ)

竹山 マユミ(たけやま・まゆみ)

明治大学卒業。広島テレビ放送のアナウンサーを経てフリーアナ、DJとして各テレビ局やラジオ局で番組を担当。コーピングインスティテュート コーピング認定コーチ。宝塚歌劇団は生まれる前から観劇するほどの大ファン。