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年末年始「トム・クルーズ自宅映画祭」のすすめ 2023年も世界を圧倒する60歳

公開日:  /  更新日:

著者:関口 裕子

別な意味でイッちゃってる編:最新作もとんでもない!?

 しかし、どんな映画よりぶっ飛んでいるのは、やはりIMFの諜報員イーサン・ハントを演じた『ミッション:インポッシブル』シリーズだろう。

○『ミッション:インポッシブル』(1996)ブライアン・デ・パルマ監督

 この1作目で、トムは割れた大型水槽の水ととともに脱出するアクション、室温を上げず床にも触れないよう宙吊りでリストを盗み出すアクションで観客に強い印象を残した。また自分でスタントを行うことにこだわりを持つトムはシリーズを通して、高層ビルを登ったり、高いところから飛び降りたり、車やバイク、飛行機のアクションを見せている。

 バイクや車の運転技術はプロ級の腕前。飛行機の免許も取得している。パラシュートやパラセイリングなど高所もお手のもの。日々のトレーニングも欠かさない。演じる人物になりきるために実在するならその生活を体験する。役のためにこれほどストイックな俳優はさほど多くはないだろう。観ている方の命もいくつあっても足りないほどだ。

2020年、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』の撮影中にファンと交流するトム【写真:Getty Images】
2020年、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』の撮影中にファンと交流するトム【写真:Getty Images】

 36歳でイーサン・ハントを演じ始めてから早四半世紀。2023年には最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が公開される。先日も特別メイキング映像が公開されたが、思わず「おかしいだろう!」と声に出してしまうほど。トム・クルーズ60歳のぶっ飛び具合を確認する前に、まずは1996年の『ミッション:インポッシブル』から観直されることをおすすめしたい。

(関口 裕子)

関口 裕子(せきぐち・ゆうこ)

映画ジャーナリスト。「キネマ旬報」取締役編集長、米エンターテインメントビジネス紙「VARIETY」の日本版「バラエティ・ジャパン」編集長などを歴任。現在はフリーランス。