からだ・美容
餅による窒息事故はなぜ起きる? 食べる前にすべき4つの防止策 医師が解説
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教えてくれた人:近藤 千種
いざという時のために! 知っておくべきケース別の応急手当方法
餅がのどに詰まったら、その場にいる人がまず応急処置を行うことが重要です。救急要請をして救急車で病院まで搬送されても、後遺症が残らないケースは応急処置をして異物が除去されている場合がほとんど。詰まったまま病院に搬送されても多くは手遅れなのです。それでは、適切な対処法について解説していきます。
○呼吸ができている/呼吸ができていない場合
詰まったものが小さく、正常に呼吸ができている場合は無理に取り除こうとせず病院を受診しましょう。呼吸ができていない場合は、すぐに119番通報をして救急車を呼んでください。
○意識がある/咳が出ない/咳をしても異物が出ない場合
意識がある場合は、咳が出るように促しましょう。咳が出ない場合や咳をしても取り除くことができない場合は、「背部叩打法」が有効です。大人の場合は、ひざまずいて傷病者を横向きにし、手の付け根で背中の肩甲骨と肩甲骨の間を力強く何度も連続して叩いてください。乳児の場合は、うつ伏せにしおしりから胸側に腕を通して体を支えます。指で乳児の下アゴを支えて軽く突き出し、おしり側を少し上げて上半身が低くなる姿勢にしたら、手の付け根で肩甲骨の間を4~5回、迅速に叩いてください。
○「背部叩打法」を行っても効果がない場合
「ハイムリック法」(上腹部圧迫法)を試してみましょう。1歳以上の場合は、傷病者の後ろに回り、両腕を脇の下から通して上半身を抱え込むようにします。片方の手で握り拳を作りみぞおちより少し下に当て、その上をもう一方の手で握ってください。すばやく自分の方(手前上方)に向かって圧迫するように突き上げます。1歳未満の場合は「胸部突き上げ法」を行ってください。仰向けにし、2本指を使って胸骨圧迫の要領で4~5回圧迫します。
意識がない場合、または上記の処置を行なっている間に意識がなくなった場合は、心肺蘇生法を行う必要があります。救急要請をすると同時に速やかに心肺蘇生を開始しましょう。
餅でのどを詰まらせないためには、予防をすることが大切です。食べる前にできる限りの配慮をし、万が一のトラブルに備えておくことを心がけましょう。
(Hint-Pot編集部)
近藤 千種(こんどう・ちぐさ)
1971年生まれ、愛知県名古屋市出身。ちぐさ内科クリニック覚王山院長・抗加齢医学会認定専門医。10代からモデルとして活躍。33歳で医師を志し、その後わずか1年で帝京大学医学部に合格。医学生時代に日本スクーバ協会が主催する「ミスダイバー」コンテストで第9代準ミスダイバーを受賞し、GTレースクイーンやグラビアアイドルとして活動する。2013年に帝京大学医学部卒業、医師免許取得。現在は愛知県名古屋市内にて、ちぐさ内科クリニック覚王山院長として内科医だけでなく美容内科/美容皮膚科医としても活躍中。