Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

どうぶつ

うさぎブーム過熱に懸念…安易なお迎えが保護うさぎを生む 知ってほしい正しい知識

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

飼えなくなった動物の引き取り屋さんではない

うさぎ飼育に関するコミュニケーションイベント【写真提供:一般社団法人WILL&LOUIS】
うさぎ飼育に関するコミュニケーションイベント【写真提供:一般社団法人WILL&LOUIS】

 うさぎを保護する場合、通報や行政からの依頼があった時、または私たちの判断で行うため、保護数は毎年異なります。ただし私たちは「保護団体」ではなく、「うさぎという生き物について知る」啓発活動や、うさぎとの暮らし・飼育に関する勉強会やセミナーなどを主に行う団体です。そのため、保護数の大小は語れないと思っていますが、活動地域内だと直近で最も多かったのは2017年の40匹。一方、2022年は1匹でした。

 特に「飼えなくなった」というお話を伺った時、ご自身で里親を探していただくようにアドバイスしています。私たちは飼えなくなった動物の引き取り屋さんではありません。どうしても飼い続けられない事情があるのなら、大切にしてくれる次の方に託すまでが飼い主の責任だと思います。

 大きな多頭飼育崩壊などのご相談も受けます。このようなことが二度と起こらないためには、慎重に動かなければいけません。行政や愛護センターなどをできる限り巻き込んで、うさぎの多頭飼育崩壊が存在していることやその大変さを、社会的にも共有していくべきだと思っています。有志のボランティアたちだけで対応するのは限界があるからです。

うさぎは温度管理された室内でしか生きていけない

たくさんの保護うさぎが新しいおうちに迎えられるのを待っている【写真提供:一般社団法人WILL&LOUIS】
たくさんの保護うさぎが新しいおうちに迎えられるのを待っている【写真提供:一般社団法人WILL&LOUIS】

 うさぎを終生お世話するためには、お迎えする前に正しいイメージを持つことが大切です。世代にもよるかもしれませんが、うさぎの住環境といえば「学校の飼育小屋」というイメージが根強いように思います。屋外で飼い、集団で暮らし、野菜のクズ(キャベツやニンジン)を食べている姿から、ペットとして室内で飼うというイメージがあまり湧かない人も多いでしょう。

 一方で最近は、ふれあい施設やうさぎカフェが増えました。そこから小さくてふわふわでおとなしいイメージや、ケージに入れてエサを与えたら飼える簡単な生き物と考えてしまうことも。SNSではかわいらしいお洋服を着せた姿や、外に連れ出してお友達のうさぎさんと「うさんぽ」する様子なども、ここ10年で見られるようになりました。

 ペットのうさぎであるカイうさぎは、実のところ日本の気候にはあまり適していません。そのため、室内で飼育し、部屋の温度や湿度を十分に管理しなければいけません。特に夏は24時間のエアコン管理が必須になり、冬には関西の屋外で飼われていたうさぎが凍死した話もあります。エアコンはもったいないから扇風機で……ではうさぎは死んでしまうでしょう。