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どうぶつ

うさぎブーム過熱に懸念…安易なお迎えが保護うさぎを生む 知ってほしい正しい知識

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ケージの中に閉じ込めておくことはストレスや運動不足の原因になる

保護うさぎたちのケージ。限られたスペースの中でも清潔に保ち、毎日40~60分運動する時間を設けている【写真提供:一般社団法人WILL&LOUIS】
保護うさぎたちのケージ。限られたスペースの中でも清潔に保ち、毎日40~60分運動する時間を設けている【写真提供:一般社団法人WILL&LOUIS】

 うさぎを飼うのに「ケージ」と呼ばれる小屋を購入する飼い主さんは多いでしょう。ただし、金魚を水槽で飼うようにケージの中だけでうさぎが飼えるわけではありません。

 うさぎは薄明薄暮性なので、基本的に昼間は寝ています。ケージはそうした寝床やエサを食べる“絶対的な縄張り”として存在しますが、運動や家族と一緒に過ごす時間はケージから出します。狭いケージに閉じ込めておくと、うさぎでもストレスが溜まったり、運動不足で体調が悪くなったりするからです。

 うさぎはおしっこする場所を決める習性があります。ただし、草食動物であるうさぎの消化管は常に動いているので、うんちは意識せずにポロポロと出てしまうのです。そのため、部屋でフンをされることに強い抵抗がある場合は、うさぎを飼うことが難しいかもしれません。

 うさぎは一日でとてもたくさんのフンを出します。フンを見て健康管理をするといっても過言ではないくらいです。トイレでフンをするというしつけは、犬に対するトイレのしつけとはまるで意味が違ってくるので、同じようにはいきません。

うさぎの寿命や自身のアレルギー、動物病院の知識も大切

保護うさぎたちの紹介や生態を説明するカードを掲示【写真提供:一般社団法人WILL&LOUIS】
保護うさぎたちの紹介や生態を説明するカードを掲示【写真提供:一般社団法人WILL&LOUIS】

 うさぎをお迎えする心がまえとして、適切な飼育環境を知ることはもちろんですが、他にもさまざまなものがあります。例えば子うさぎを迎えた場合、10年以上一緒に暮らすことになるかもしれません。そのため、10年先までお世話ができるかといった将来的なイメージや、いろいろな準備が必要になるでしょう。

 若い方はライフスタイルが変わることもありますし、高齢の方はうさぎが年を取るにつれて自分も年を重ねるわけですから、10年先を視野に入れてほしいと思います。飼育者のライフスタイルが変わったことで手放されるうさぎは、実はとても多いのです。

 また、アレルギーが理由で手放す方も多いですね。うさぎの毛などで引き起こされる「うさぎ上皮アレルギー」と、うさぎが食べているイネ科の植物に関するアレルギーがあり、後者の方が割と多いと感じます。

 かゆみ、腫れ、咳など症状はさまざまですが、呼吸困難になるような重い症状の方もいらっしゃるので、何かしらアレルギーをお持ちの方はうさぎを迎える前に検査を受けてみると良いかもしれません。うさぎの主食は牧草ですので、代用が難しいのです。

 他には、お迎えの時にあまり考えることのない動物病院についても知っておくべきことがあります。どんな動物でも診てもらえると思いがちですが、うさぎが対象外の病院はまだまだたくさんあります。

「犬、猫、うさぎ」と掲げられていたとしても実際は……という病院もあるので、お迎えしたショップや保護団体といった詳しい人に聞くなどして、事前に調べましょう。口コミだけを鵜呑みにせず、また自宅から近いという人間側の都合だけではなく、きちんと診断できる病院を探すのが大切であり、また意外と大変なことかと思います。

(Hint-Pot編集部)