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仕事・人生

介護、操縦、マッサージ、カッパ捕獲…西村知美さんが55個の資格を取り続けた理由

公開日:  /  更新日:

著者:柳田 通斉

「時間貯金」で学びの幅を広げれば、新たな出会いが

西村さんが持っている資格は介護、操縦、オセロ、タイ古式マッサージなどバラエティに富んでいる【写真:荒川祐史】
西村さんが持っている資格は介護、操縦、オセロ、タイ古式マッサージなどバラエティに富んでいる【写真:荒川祐史】

 資格を取るには、勉強をしたり、講習を受けたりする時間も必要。西村さんは「時間貯金をしています」と語ります。

「足りない時間は作るしかありません。そこで、お掃除やお料理など日々の用事を少しずつ『時短』にして、できたまとまった時間で勉強をしています。子どもが小さい頃には、主人に『仕事が休みの時は預かって』とお願いしたこともありました」

 学びの幅を広げること=新たな出会いがある。それも、資格を取るモチベーションになっているそうです。

「筆記試験だけでは自分との闘いになりますけど、実習がある資格では出会いがあります。昨年にハワイ発の『ジュガ』という健康美容体操のインストラクター資格を取った時、みんなで協力して輪になっての実習で、いろんな職種の方と出会いました。取得までに3~4か月かかる中で、『ここは良かったよ』『ここが課題だね』と声をかけ合っていました。

 初対面の方との接し方は難しいものですが、人は好きなことや興味のあることについては多くの言葉が出ますよね。そして、関心事や知識が多いほどコミュニケーションもよく取れると、私は感じています」

 西村さんは幼少期から人懐っこく、自宅を訪ねてきた外国人としゃべり続け、母親に「言葉も分からないのに、なぜ?」と驚かれたそうです。有名芸能人になってからも、一般の方々と壁を作らず、フランクに会話をしています。その中で「そんな資格もあるんですね」と新たな興味を抱くことも度々。ただ、語学検定だけは「無理」と判断していました。

「どうしても、発音がちゃんと聞き取れないんです。だから、音階もよく分からなくて、歌も楽器も下手で……。これは資格じゃないんですけど、娘が小学3年生の時から中国楽器の二胡を習い始め3年間一緒にレッスンに通いました。そしてある日、主人の前で井上陽水さんの『少年時代』を披露したのですが、『えっ、何の曲』と言われてしまいました。そのまま終了です(笑)」