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からだ・美容

頭痛や疲労などを感じる“なんとなく不調” 意外なことが原因の可能性も 医師3人に聞く

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:今津 嘉宏、谷口 英喜、日比野 佐和子

運動不足やストレスが“なんとなく不調”を引き起こす原因にも

 漢方にも詳しい外科医で、芝大門いまづクリニック院長、藤田医科大学医学部客員講師の今津嘉宏先生によると、“なんとなく不調”の大きな原因は“運動不足やストレス”だといいます。

「“なんとなく不調”は、コロナ禍による運動不足や、パソコンなど電子機器の使用時間が増加していることが原因だと考えられます。運動不足だと、肩こりや腰痛、首こりからくる頭痛や目の疲れ、筋肉量の低下に伴う疲労感やだるさなどの症状が顕著に。また、パソコンなどを使用している際は猫背になりやすく、肩こりや腰痛、頭痛、目の疲れなど全身の倦怠感・疲労感につながります」(今津先生)

 そこで、簡単に運動不足をカバーできるおすすめの運動が「伸び」だそう。

【医師直伝・正しい「伸び」の仕方】
1. 両腕を体の前に伸ばし、ゆっくりと両側へ開く。手のひらを上へ向け、小指が上、親指が下になるように回転。そのまま両腕を背中側へ広げていくと、左右の肩甲骨が合わさるように。約1分間、自分のペースで繰り返し、ゆっくりと元の位置へ腕を戻す

2. 両腕をまっすぐに上へ伸ばす。手の小指が背中側、親指が前側になるように手の甲を合わせて回転させ、ゆっくりと天高く伸ばしていく。約1分行い、ゆっくりと下げる。

 30分に1回程度、1と2を順番に行ってみましょう。また、今津先生によると、コミュニケーションの頻度も不調に関与するそう。

「コミュニケーション頻度が減った人は、自分では解決できない問題が連鎖反応的に山積みになり、調子が下がったと感じやすくなると考えられます。体の調子が下がったなと感じる方は、コミュニケーション環境を見直してみてください。また、リアルに話ができる『かかりつけ医』とのコミュニケーションを取ることもおすすめです」(今津先生)

倦怠感の原因は「脱水」であることも 感染症との見分け方とは

「教えて!『かくれ脱水』委員会」の副委員長でもある麻酔科医の谷口英喜先生によると、原因不明の倦怠感頭痛、熱っぽさといった不調は、単純に「脱水」が原因であるケースもあるそう。脱水とはどういう状態なのでしょうか?

「脱水は、体が水分不足になっている状態のことです。脱水は血流の低下につながり、神経や臓器が酸素や栄養不足になり、不定愁訴(ふていしゅうそ)につながることもあります」

 しかし、頭痛や熱っぽさがあると、風邪や新型コロナの感染を疑ってしまいます。脱水か感染症かを見分けるには?

「風邪、新型コロナ、脱水症に共通して起こる症状には、頭痛、頭が重い、食欲不振、下痢、嘔吐、吐き気、筋肉の違和感、筋肉痛、関節痛、発熱などがあります。しかし、合わせて上気道症状といわれるのどの痛みや咳、痰が出ない場合は感染症でなく、脱水を起こしている可能性が考えられます。食事を抜いていないか、水分をとり忘れていないかを振り返ってみましょう」(谷口先生)

 また、風邪に似たような症状で脱水か感染症か不明なときは、試しに「OS-1」などの経口補水液を飲んでみるというテクニックもあるそう。

「経口補水液とは、小腸からもっとも水分が吸収されやすい割合で水・塩分・糖分が配合されている飲料です。飲むと素早く体に吸収され、脱水症を改善します。経口補水液を試してほどなく症状が改善したら、脱水症による体調不良であった可能性が高いといえます。一方、経口補水液を飲んでも咽頭痛や発熱が残るときは、新型コロナや風邪などの感染症にかかっている可能性があるので病院に行きましょう」(谷口先生)