からだ・美容
頭痛や疲労などを感じる“なんとなく不調” 意外なことが原因の可能性も 医師3人に聞く
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教えてくれた人:今津 嘉宏、谷口 英喜、日比野 佐和子
花粉症でも起こる“なんとなく不調”
眼科医で皮膚科医の広尾Y’sクリニック院長・日比野佐和子先生によると、花粉症でも倦怠感が起きるといいます。
「花粉が体に入ると、それらの異物に対抗するために体内に備わる『抗体』が過剰に反応し、鼻水やくしゃみが出ます。こうした、花粉症の症状のひとつである倦怠感や眠気などが“なんとなく不調”につながることも。対策するには、免疫のバランスを整えることが重要です」(日比野先生)
免疫バランスを整えるには、どのようなことに気をつけると良いのでしょうか。
「体に必要なたんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維の6種類の栄養素を食事からバランスよくとりましょう。とくに近年注目されているのが『パラミロン』という食物繊維で、“藻(そう)類”、すなわち藻(も)の一種のユーグレナだけに含まれ、花粉症の予防に役立つ可能性が示唆されています。自律神経を整え、睡眠の質を向上させたり、疲労を回復させたりする効果があることもわかりました」(日比野先生)
食物繊維は、発酵食品と一緒にとることで腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境が整います。そのため、パラミロンは乳酸菌と一緒にとると良いでしょう。甘い粉末のユーグレナをヨーグルトにかけると、手軽にとれておすすめだそうです。
さまざまな原因がある“なんとなく不調”。しかし、ずっと続く場合は放置をせず医師に相談をしましょう。
(Hint-Pot編集部)
今津 嘉宏(いまづ・よしひろ)
芝大門いまづクリニック院長、藤田医科大学医学部客員講師。1988年に藤田保健衛生大学医学部卒業後、慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。慶應義塾大学漢方医学センター、北里大学を経て、2013年に芝大門いまづクリニックを開業し院長に就任。主な学会資格は、日本外科学会認定医・専門医、日本消化器病学会専門医、日本がん治療認定医機構認定医・暫定教育医、日本東洋医学会専門医・指導医。
谷口 英喜(たにぐち・ひでき)
医師、済生会横浜市東部病院 患者支援センター長/周術期支援センター長/栄養部部長。麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理のエキスパート。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。2024年5月に新刊「熱中症からいのちを守る」(評言社刊)が刊行。そのほかの著書に「いのちを守る水分補給~熱中症・脱水症はこうして防ぐ」(評言社刊)などがある。
日比野 佐和子(ひびの・さわこ)
医療法人社団康梓会 Y’sサイエンスクリニック広尾統括院長、大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学特任准教授、医学博士。内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。同志社大学アンチエイジングリサーチセンター講師、森ノ宮医療大学保健医療学部准教授、(財)ルイ・パストゥール医学研究センター基礎研究部アンチエイジング医科学研究室室長などを歴任。中医学、ホルモン療法、プラセンタ療法、植物療法(フィトテラピー)、アフェレーシス療法(血液浄化療法)などを専門とする。アンチエイジングの第一人者として国際的に活躍するほか、テレビや雑誌などにも数多く出演。