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「サバを読む」の由来はなぜサバ? 傷みやすい原因や臭みを消すコツを栄養士が解説
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教えてくれた人:和漢 歩実
「サバの生き腐れ」といわれるほど、サバは急激に鮮度が落ちやすい魚として知られています。栄養がある魚とはわかっているものの、独特の臭みが気になる方もいるかもしれません。サバの鮮度や臭みの正体、臭み消しのコツや保存方法などを、元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんに伺いました。
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サバが生臭くなりやすい理由とは
サバは傷みやすい魚です。サバ自身の内臓にある消化酵素が強く、自己消化が急激に進むのが理由です。また鮮度が落ちると、サバに含まれるアミノ酸の一種のヒスチジンが短時間でヒスタミンに変わります。ヒスタミンは食中毒の原因にもなります。加熱しても分解されず、増加しても味、臭いは変わりません。見た目は新鮮そうでも内部では腐敗が進行していることがあります。これが「生き腐れ」です。
サバが生臭くなりやすいのは、サバの体内に含まれるトリメチルアミンと呼ばれる成分が原因。もともとはうま味成分でもあるトリメチルアミンオキサイドですが、サバが水揚げされ鮮度が落ち始めると、微生物に分解されることでトリメチルアミンが発生します。
ちなみに、年齢などの数字を自分の都合が良いようにごまかすことを「サバを読む」と言います。諸説ありますが、その由来は魚のサバが傷みやすいことに関係しているとか。その昔、大量にとれたサバの数を鮮度が落ちないうちに目分量で把握する必要があったため、実際の数と合わないことが多々あったそうです。いつしか、「サバを読む」ことが年齢や数をごまかす意味に転じたとの説があります。
サバの臭み消しのコツ
店頭でパックに入って売られている切り身のサバを購入したら、持ち帰ってすぐにパックから出しましょう。調理前に臭みを消す下処理をすることで、おいしく仕上がります。臭みを消す方法は次の3つです。
○塩を振る
表面に塩を振り、水分が出てくるまで20分ほど放置。表面に出てきた水気をペーパーでしっかりと拭き取ります。さらに酒を表面に振ってペーパーで拭き取ると効果的です。
○熱湯にくぐらせ冷水へ
「霜降り」と呼ばれ、さっと熱湯にくぐらせて冷水に取る方法です。くぐらせずに、両面に熱湯をかけてもかまいません。アクやぬめりを取ります。しっかりと水気を拭き取ってから調理しましょう。
○酢にくぐらせる
3倍ほど水で薄めた酢をボウルに入れ、そこにサバをくぐらせます。ペーパーで拭き取ってから調理しましょう。