電車で席を譲り合う光景は、見ていて気持ちが良いもの。そんな日常が“あるある”になったら……という思いで描かれた漫画が、ツイッター上で大きな反響を呼んでいます。電車内で赤ちゃん連れの女性の隣に立ったいかつい風貌の男性。その男性の気遣いが、ハートフルかつコミカルに展開していきます。作者の赤信号わたる（@GoAkashin）さんに詳しいお話を伺いました。

　◇　◇　◇

座席を詰めろと注意　うとうとしていた強面の男性は…

　漫画家として活動する赤信号わたるさん。電車に乗っていたら、自分の両隣だけがぽっかりと空いた不安感を描いた実体験漫画が大反響を呼ぶなど、SNSで発表したユーモアにあふれる作品はこれまでに何度も話題になっています。

　今回ご紹介するのも、電車内をテーマにした作品。しかし、赤信号さんの実体験ではありません。電車の中で起こったら、クスリと笑ってしまいそうな場面を描いた、創作漫画です。

　漫画は、大泣きする赤ちゃんを抱っこした女性が、電車内で困っているシーンから始まります。女性の目の前には、2人分ほどのスペースを占有して居眠りする男性が座っていました。女性の隣に立っていた少々いかつい見た目の男性は、親子を見つめながら舌打ち。さらに「おいアンタ！」と大きな声を上げました。女性は思わずビクッと体を震わせます。

　しかし、その男性の言葉は、女性ではなくその前でふんぞり返って座っている強面なスキンヘッドの男性に向けられていました。そして「ママさんが大変そうだろうが！　譲れとまでは言わんが少し席を詰められんねぇかい!?」と詰め寄ります。ウトウトしていた男性はその声に気がつき目覚めると、「なンだとぉ～!?」と声を上げました。そのため、車内は一触即発のピリついた空気に……。しかしその後、予想外のやりとりが男性たちの間でなされるのでした。

　漫画は大反響を呼び、2.8万件もの“いいね”が。リプライ（返信）には「ありがたい“あるある”」「見た目はワルだけど優しい」「尊い優しい世界……」「みんな良い人」「こんな世界であれ……」「なんかほっこりした」などの声が寄せられ、温かい気持ちになった人が続出しています。