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価格高騰中の卵 割ると出てくる白い塊は食べたほうが良い? いまさら聞けない豆知識

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

日本の食卓に欠かせない卵(写真はイメージ)【写真:写真AC】
日本の食卓に欠かせない卵(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 値上げの春。物価上昇が止まらないなかで注目されているのが、卵の高騰です。鳥インフルエンザの感染拡大や飼料価格の高騰などが原因とされ、今後もこの状況は続くとみられています。これまで卵は、比較的安定した供給と価格で「物価の優等生」ともいわれました。改めて、卵の何がすごいのか、栄養面や豆知識などを元家庭科教諭で栄養士の和漢歩実さんに伺いました。

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日本人と卵の関係

 食卓で親しまれている卵。日本では、ニワトリは弥生時代頃に伝わり、食することを避けていたといわれています。安土桃山時代になると、卵を用いたお菓子や料理がポルトガルから伝来。江戸時代には卵料理が書かれた料理指南書「万宝料理秘密箱 卵百珍」が人気となり、明治時代にはオムレツなどの洋食が知られるようになりました。

 当時、卵は高額で一般家庭には普及していませんでした。卵が一般家庭に普及するのは、第二次世界大戦以降のこと。鶏卵の生産数が増加し、安定供給ができるようになりました。日本人の卵好きは世界でもトップクラスで、国際鶏卵委員会(IEC)が公表した世界各国の2021年の鶏卵の年間消費量をみると、日本人1人あたりの年間消費量は337個。ほぼ1日に1個食べている計算になります。これは、メキシコに次いで世界2位の消費量です。

 卵は「物価の優等生」とされてきましたが、昨年から最高値を更新し「エッグショック」と表現されるほどの状況にあります。価格上昇の終息の気配は、まだ見えていないようです。

卵の栄養 何がすごい?

 卵は、人間の体に欠かせないたんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルの「五大栄養素」をほぼすべて含みます。このうち主成分となるのが、体の組織を作るたんぱく質です。たんぱく質は約20種類のアミノ酸から構成されており、そのうち9種類のアミノ酸は体内で作ることができないため、食品から摂取しなければなりません。

 この9種類の必須アミノ酸の割合を示した、たんぱく質の栄養価を示す指標を「アミノ酸スコア」と言います。卵はこのアミノ酸スコアが100。これは、9種類すべての必須アミノ酸をバランス良く含む、良質なたんぱく質源であるということになります。卵は食物繊維とビタミンC以外、すべての栄養素を含む栄養価の高い食品です。

 卵に食物繊維とビタミンCを多く含む食品を組み合わせると、さらにバランスの良い食事になります。ぜひ野菜と一緒に食べましょう。サラダの上に温泉卵をのせてもおいしいです。