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からだ・美容

ほくろと皮膚がんの見分け方は 紫外線が増える季節に注意すべきこと 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:岩淵 美樹

教えてくれた人:佐藤 卓士

いびつな形をしているほくろは要注意

 みなさんが気になるのは、「ほくろががん化するのでは?」ということでしょう。医師の間でも意見が分かれるところではありますが、ほくろから皮膚がんに変化することは非常にまれであるといわれています。ほくろと思っていたものが時間の経過とともに変化し、がんと診断されたとしても、もともと悪性だったと考えるのが自然です。

 ほくろと間違われやすい皮膚がんはメラノーマ(悪性黒色腫)と呼ばれるものです。見た目で判断するには、次の5つがポイントになります。もちろん、ひとつでも当てはまったらメラノーマであると言えるわけではありません。また、当てはまる数が多いほどメラノーマの可能性は高くなりますが、断定はできません。診断するには、生検して顕微鏡検査(病理検査)が必要になります。

ホクロはほぼ左右対称で、輪郭がはっきりとしている(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ホクロはほぼ左右対称で、輪郭がはっきりとしている(写真はイメージ)【写真:写真AC】

1. 形
 ほくろは丸や楕円でほぼ左右対称なのに対し、メラノーマはいびつな形をしている。

2. 境目
 ほくろは輪郭がはっきりしているが、メラノーマはギザギザしていたり、ぼんやりしたりしていることが多い。

3. 色
 ほくろは均一な色をしているが、メラノーマは色ムラがある。

4. 大きさ
 目安として大きさが6ミリ以上のものは、メラノーマの疑いがある。

5. 増大速度
 1~2か月で急速に大きく広がっている場合は、メラノーマの疑いがある。

 足の裏や手のひら、爪にできやすいといわれていますが、できる部位によって良性か悪性かを判断するのは難しいもの。少しでも気になるのであれば、皮膚科を受診しましょう。皮膚がんは内臓のがんと異なり、自分自身で目視できるので早期発見しやすいがんです。

 ほくろに似たものでメラノーマのほかに、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)、基底細胞がんなどもあります。ほくろとメラノーマの区別もそうですが、肉眼で正確に判断することが難しい場合も。「大丈夫だろう」と放っておくと進行してしまうこともあるので、自己判断しないことが大切です。