仕事・人生
宝塚卒業後に出会えた夢 歩みを止めない87期のふたりが追求する「お芝居」と「歌」
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インタビュアー:竹山 マユミ
綾月さんの夢は「私に関わってくれた人に幸せになってほしい」
竹山:1月には「輝け!しながわジェンヌ2023」でおふたりが一緒に舞台に立たれたのを拝見しましたが、どんなお気持ちでいらっしゃったのですか。
晴華:本当に心強かったです。私自身は退団してからブランクがあり、同期やOGの方々と少人数で歌のお仕事をしたことはありましたが、あんなに大きなステージで名だたるOGの方々と“ザ・宝塚!!”なショー作品に携わることが本当に久しぶりでした。だから、同期がひとりでもいるかいないかというのはすごく大きくて、まゆみちゃん(編集部注:綾月さんの愛称)には本当に「いてくれてありがとう」って何度メッセージを送ったことか。
竹山:「しながわジェンヌ」のステージも、どんどん大きくなって華やかになっていますからね。綾月さんはいかがでしたか。
綾月:私も「本当にありがとう」でした。同期がいる、いないはすごく大きいことなんですよ。私は同期がいない状態を現役中に体験していたので、すごく久しぶりだったんですよね、同じ作品のなかに同期がいるっていうのが。それがものすごくうれしかったです。
晴華:現役中はお互いの舞台にお互いの組で立っている姿しか知らないから、実際に同じ公演に出ますってなったら感情が「わぁぁ~っ」となりました。お稽古が始まったときに「まゆみちゃんだ~」って思ったし、動きとかを見ていてもすごく懐かしいと思っていました。
綾月:同期は本当にありがたい存在です。宝塚音楽学校の1年目、予科生という時代に「連帯責任」を学ぶんです。誰かがしてしまった失敗は自分にも責任がある。周りに迷惑をかけないとか、自分を犠牲にしてでも相手を守るとか、仲間意識というものを強く教わりました。
だから、同期って私の一番見せたくない部分を知っているし、それが一番の強みなんです。そういうことが卒業しても生きているし、言葉がなくてもこうやって舞台とかでまた一緒になれば、こんなに頼れる存在はいないって思えるんです。
竹山:卒業されてから少し時間が経ちました。これからの目標や、さらなる夢などを聞かせてください。
綾月:宝塚歌劇団ってやっぱりすごい世界だし、生まれ変わっても入りたいなって思います。宝塚を観に来てくださった方って、観終わったあと、みなさん幸せそうなお顔をしてくださるんです。私もそうですし。でも、宝塚でしかできないこともある一方で、辞めたからできることもやっぱりたくさんあるんですよね。
今は小劇場を中心に舞台の活動をしていますが、小劇場だからこそ伝えられるものとか、表現できることってあると思うんです。いずれにしても「誰かを笑顔にすること」を仕事にしていけたらなと思っています。