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仕事・人生

日本よりイタリアで有名な日本人女性 人気YouTuberになったわけ

公開日:  /  更新日:

著者:河野 正

イタリア国営テレビにも出演 ユニット解散後はYouTubeにも挑戦

 この歌手活動をきっかけに、イタリア国内でさまざまな仕事の機会に恵まれたといいます。イタリア国営テレビの料理番組出演をはじめ、地方テレビの生放送ではアカペラで歌を披露し、ウェブドラマに日本語講師役として出演した経験も。また、シルビオ校長が尽力し「プレイボーイ」誌イタリア版でコスプレ記事にちなんだ写真のモデルになるなど、とにかくどんなことにでも積極的にチャレンジしてきました。

 一方の歌手活動では、日本のアニメソングを好むヨーロッパの観衆やシルビオさんが川崎さんにこうなってほしいと抱いたイメージに対し、より自分らしい姿で活動したいという思いがあったといいます。その結果、2018年をもってユニットは解散し、語学学校も退職したのです。

 しかし、川崎さんは発信することをやめませんでした。ユニット解散後の数か月後、川崎さんはまずイタリア人向けのYouTubeチャンネル「ERIKOTTERO」をイタリア語で発信し始めました。

「もともと、シルビオさんとユニットを立ち上げたときも、日本の文化を紹介する内容の動画を配信していた経験がありました。ですが、私はシンガーとして何度もステージに立ってきましたから、自分が前面に出ることが好きなんです。新たな自分でまたゼロからの気持ちで始めました。イタリア語の動画は、日常の身近な出来事や話題、食や音楽などを素材に作っています」

日本語教師を務めながら週2本の動画を制作する生活に充実感

日本語教師としても活躍する川崎さん【写真提供:川崎絵里子】
日本語教師としても活躍する川崎さん【写真提供:川崎絵里子】

 配信するたびにチャンネル登録者が増え、すっかり有名人になった川崎さん。街中ではしょっちゅう「エリコ、エリコ」と、知らない人から声をかけられるようになったのだそう。

 その後、日本人向けの「ERIKO ERITALY」をスタート。こちらのチャンネルは日本語で、旅行や留学、移住や仕事など日本人に役立つ情報を提供しています。

 日本語教師を続けながら本職の合間を縫い、1週間に2つの動画を制作するのは骨が折れるはず。それでも“日本よりイタリアで有名な日本人”となった川崎さんは、「締め切りが迫ってくるとプレッシャーもあって大変なはずなんですけど、撮った動画を見返すときも編集作業しているときも、ニコニコしながらやっているんですよ。自然と笑みがこぼれて……。大変ですが、この作業が好きなんでしょうね」と語ります。多忙ながらも充実した日々を過ごしていることが伝わってきました。

(河野 正)