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どんなことを学んでいる? 2020年度から必修になった小学校の英語教育の中身とは
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2020年度から正式にスタートした小学生の英語必修化。実際の教育現場では、小学3・4年生は「外国語活動」、小学5・6年生は「教科」という位置付けで扱われています。学校教育で英語を学び始めたのが中学1年生だった親世代の英語教育とはどう違うのでしょうか。英語教育・言語学を専門としている玉川大学大学院教育学研究科の佐藤久美子名誉教授にお話を伺いました。
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小学3・4年生はコミュニケーションを目的とした「外国語活動」
「友達とゲームをしながら英語を学べるところが楽しいです」
そう明るい表情で語るのは、東京都内の公立小学校に通う吉田恵くん(仮名)。4月から学校で初めて英語を学び始めた小学3年生です。クラス担任の先生が週に1回、英語の授業を行ってくれているそうで、算数や国語などの他教科と比べても、授業中は「みんな楽しそうです」と教えてくれました。
そんな笑顔の恵くんとは異なり、お母さんの幸子さん(仮名)はちょっと複雑な表情を浮かべます。
「息子は、学校ではいつも楽しく英語を勉強しているようで、英語を通じてお友達とのコミュニケーションもよく取れている気がします。それは良いことなのですが、ただ、今の授業内容で、英語を理解して実際に使えるようになるのかは正直わかりません」
そこで幸子さんは、もともと恵くんが英語への興味関心が高かったこともあり、学校とは別に英語教室に通わせているといいます。
「外国人の先生からより実践的な生の英語や発音を学んでほしいと思っています。息子から聞いている限り、学校では学ぶというより、遊びが半分という感じがするので親としては物足りなさを少し感じています」
中学入学と同時に初めて学校で英語教育を受けた昭和・平成の親世代にとって、英語が専門ではない担任の先生が教えることに不安を覚える人がいるのは当然のことです。しかし、それは学校における英語教育そのものが変わっているからのようです。
文部科学省(以下、文科省)が定める学習指導要領の「外国語活動の目標」には、「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ、外国語による聞くこと、話すことの言語活動を通して、コミュニケーションを図る素地となる資質・能力を次の通り育成することを目指す」と記載されています。英語を学び始めた小学3・4年生においては、英語は「教科」ではなく、コミュニケーション能力を養う「外国語活動」という位置付けになっており、佐藤教授いわく、「英語に対するアプローチの仕方が以前とは大きく異なる」そうです。
「英語の文法学習というのは、今も変わらず中学生からスタートします。では、小学3年生では何をするかというと、英語でのコミュニケーション能力を育てることを行っています。具体的には、英語での簡単なフレーズや会話を『目標表現』として提示し、子どもたちはそれを真似したり、自分の伝えたい意味を表す単語に置き換えたりしながら友達と英語でやりとりをしたり、ほかの児童の前で発表したりすることで、実践的な、いわゆる“使える英語”の習得を目指して取り組んでいます」
これが、学習指導要領に記載されている「外国語活動」というわけです。