仕事・人生
宝塚時代には「得られなかった感動」 元娘役が新天地で再確認した“けがの功名”の意味
公開日: / 更新日:
インタビュアー:竹山 マユミ
憧れの世界で輝き、退団後もあらゆる分野で輝き続けるタカラジェンヌたち。現役時代に経験した苦しみをプラスに変えていくポジティブさは、強みにも変わります。OGたちの視点からクローズアップする「Spirit of タカラヅカ」、現在トレーナーやダンスの振付などで活躍する小田島夏希さんの後編は、転身後に見つけた喜びについて。退団する理由のひとつになったけがに対するアプローチやダンスへの思いなど、宝塚をこよなく愛するフリーアナウンサーの竹山マユミさんが伺いました。
◇ ◇ ◇
退団後のOG公演でまさかの出来事…その後に知った新たな世界
竹山マユミさん(以下、竹山):退団なさってから、体のメンテナンスについて研究されたのにはきっかけがあったのですか。
小田島夏希さん(以下、夏希):退団してからOG公演に出演させていただいたとき、開演直前にぎっくり腰を発症してしまい、公演にご迷惑をおかけしてしまったことがありました。最下級生で参加させていただいていたので、上級生のみなさまにも本当に申し訳ない思いでいっぱいになりました。
休演などしたことがなかったので、最下級生の私でも出演者がひとり突然動けなくなることが公演全体にどれほどご迷惑をおかけするのか、初めて休演する側の立場で知りました。そのときのぎっくり腰がきっかけでヘルニアも発症してしまったんです。
そのとき、このままではダメだと思い、自分のリハビリのためにまずは体のことやけがの治し方を勉強しようと。そうしている間に、これはみなさんに知ってほしいと思うようになり、お伝えしていけることがあるかなと思うようになりました。自分のけががきっかけなのであまり偉そうなことは言えないのですが。
竹山:それがピラティスとジャイロトニック(R)なのですね。
夏希:そうです。同じようにインナーマッスルをトレーニングするエクササイズなのですが、少し違うこともあります。どちらもすごく良いところがあって、実際自分がトレーナーとしてお仕事をしていくなかでも、この2つのメソッドに大きく支えられています。なので、私のスタジオにはピラティスとジャイロトニック(R)のマシンを置くようにしました。この2つのマシンがあると、いろいろな種類のエクササイズができるんですよ。
竹山:鍛えるということよりも、ケアしながら整えていくという考え方なのでしょうか。
夏希:私自身、この2つのメソッドを学ぶきっかけになったのが自身のけがだったこともあり、そのメンテナンスやけがからの回復というところは、私がとくに経験をもってお伝えできることかなと思っています。
ただ、一流アスリートの方のペーストレーニングやパフォーマンスアップのために取り入れられているのもピラティスやジャイロトニック(R)なんです。体の基本的な安全な動きを学んだり、良い癖をインプットしたりするので、もちろんメンテナンスもできますし、より強化したり、複雑なコントロールをトレーニングしたりできるのもとても良いところなんです。
竹山:ケアもできるし、トレーニングにもなるのですね。
夏希:けがをされた方に対して復帰のサポートをする際は、主治医の運動OKをいただいたあとの段階から、私のような医療資格を持たない運動指導者がレッスンできるようになります。なので、けがをされた方には必ず主治医から運動のOKをもらってからいらしてくださいとお伝えしています。
私の経験からということで言えば、ダンス以外のスポーツはあまり得意ではないので、ダンスに関してパフォーマンスを上げるためのトレーニングは私が担える役割かなと思っています。