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熱中症予防に大切な栄養成分とは 食事のポイントを栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ミネラル類はナトリウムとカリウムを意識

ミネラルやクエン酸が含まれる梅干し(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ミネラルやクエン酸が含まれる梅干し(写真はイメージ)【写真:写真AC】

○ナトリウム
 ナトリウムは、体内の水分調節や細胞内外のミネラルのバランスを保つために不可欠です。筋肉の収縮や神経の情報伝達、栄養素の吸収・輸送などにも関与し、血圧も調節しています。

 ナトリウムの量が過剰になると、血圧が上がったり、むくみを生じたりします。一般的に、日本人はナトリウムを過剰摂取することはあっても、不足することはほとんどありません。みそやしょうゆなどの伝統的な調味料や、漬け物などを通常の食事に取り入れているからです。日本人の1日の食塩摂取目標量は男性が7.5グラム未満、女性が6.5グラム未満とされています。

 しかし、猛暑で大量に汗をかいたり、体調が悪く下痢を起こしていたりすると、ナトリウムが不足してしまいます。その場合は早急に塩分摂取が必要です。塩分やカリウムなどがチャージできる市販のタブレットを活用するのも良いでしょう。予防のためには、お湯に梅干しを入れるだけの梅湯もおすすめです。梅はナトリウムのほか、カリウムなどのミネラル、クエン酸を含むので疲労回復効果が期待できます。

ヒジキ入り切り干し大根の煮物(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ヒジキ入り切り干し大根の煮物(写真はイメージ)【写真:写真AC】

○カリウム
 カリウムはナトリウムと相互に作用しながら、細胞の浸透圧を維持したり、水分を保持したりするのに重要な役割を果たしています。体内の余分なナトリウムや水分を体外に排出するので、高血圧やむくみの予防にも。

 カリウムを多く含む食材として、ヒジキや切り干し大根、ホウレン草やブロッコリー、ニンジン、アボカドやバナナなどがあります。カリウムは水溶性で、ゆでると損失するため、加熱が必要なものはスープや汁物にして煮汁ごといただくのが良いでしょう。

 ナトリウムと同様に、大量に汗をかいたり、下痢など起こしたりしていると、カリウムも体外に排泄されてしまいます。倦怠感や食欲不振などを感じたら、早急に補給が必要です。