仕事・人生
英国では田舎暮らしがステータス 東京から人口1200人の島に移住した日英写真家
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この数年で新しい働き方が広がり、改めて生活を見直すほか、地方移住や二拠点生活に興味が出てきた人も多いでしょう。豊かな自然、きれいな空気や水などに囲まれて過ごすだけで、普段の変哲もない生活が輝いて見えることがあります。そんな生活を、瀬戸内海に浮かぶわずか人口1200人の島で実現したのは、英国人の父と日本人の母を持つカメラマンの宮川トムさん。英国から東京、そして瀬戸内海へ移住したお話を伺いました。
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田舎暮らしに憧れ 夫婦で移住を計画
穏やかな瀬戸内海を臨み、江戸時代からの商家や民家が立ち並ぶ、趣ある町並みを残す伝統的建造物群保存地区で暮らす宮川トムさん。英国人の父と山梨県出身の母を持ち、東京で生まれ育ちました。
6歳のときに家族で父の母国である英国へ。その後も祖父母や親戚と会うために2~3年に一度は“里帰り”をし、進学したスコットランドの大学では日本語を専攻しました。一度はロンドンで働いたものの、カメラマンになるため再び大学へ。フリーのカメラマンとして2009年、東京に移住してきました。
「日本に来る前に米国でオーガニック農家を取材していたこともあり、彼らを見ているといろいろな生き方があるのだなと感じていました。日本でも農業をやっている人たちの取材が多かったんです。東京は、若いときにはいいけど、そろそろもういいかなって。違う人生にチャレンジしたいという気持ちが出てきました」
東京を拠点に仕事をしていたトムさんは、しだいに田舎暮らしへの憧れを抱き始めていました。2013年に真伊さんと結婚。三重県出身の真伊さんも自然を身近に感じる生活を求めていたこともあり、夫婦での移住を計画し始めたのだそうです。