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シェアハウスでも家賃16万円? 英国でのひとり暮らしが厳しいワケ
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想像を絶する狭さなのに高い! スタジオタイプとは
ふたつ目に挙げたスタジオは、ワンルームタイプを想像してみてください。日本のひとり暮らしに一番似ている形態ですが、英国のスタジオは本当に狭くて、ベッドやデスク、キッチンの間は人ひとりがようやく通れる程度のサイズなんてこともざらです。
そして、キッチンの隣はすぐシャワーブースという、けっこう過酷なデザインのところが多い印象です。プライベートを尊重したい人などはこちらのほうがいいと思うかもしれませんが、日本の常識をはるかに超える狭さとデザインなので、覚悟が必要かもしれません。また、すべてそろっているという点で、レントもフラットシェアより基本的に高くなります。
かくいう私も、最初はプライベートスペースが欲しくてスタジオがいいなと思っていましたが、いざ見学してみると「このスペース、デザインでこのレント!?」と驚愕し、すぐに考えを修正しました。
日本のひとり暮らしのほうがはるかに楽!?
ここで気になるのが、フラットシェアの場合でも、どれくらいの人数だったら耐えられるのかということ。私の感覚としては、1つのシェアバスルームに対し3人がMAXだと思います。家によっては2つのバスルームを5人で、1つのバスルームを8人でなど、本当にさまざまなタイプがあるのでしっかり確認しましょう。
キッチンは家の中に1つしかない場合がほとんどだと思いますが、前述した通り、なかにはエンスイート型でキッチンスペースも完備されている部屋があったりします。もちろん賃料は高くなりますが、少しでもプライベート空間を増やしたいということであれば、考えるのも手かもしれません。
一緒に住む相手の職業(学生なのか、社会人なのか)や活動時間(朝型の人なのか、もしくは夜シフトが多い人なのか)なども最初に把握しておくと、自分の生活リズムと合うのかどうかわかっていいかもしれません。また、フラットによっては、性別や「30歳以上のプロフェッショナル限定」といった具体的な条件など、フラットメイト募集にさまざまな制限があるところも。そういった条件を考慮しながら進めると、自分に合う物件を探しやすいです。
バスルーム、キッチンでのかち合いはもちろん楽しいこともあるのですが、少ないほうがストレスも少なくて済みます。5人以上いるフラットシェアに住んでいた友人は、あるひとりが朝、バスルームを占領してほかのフラットメイトとよくけんかしているのが日常茶飯事のようでした。
また、フラットメイト間で冷蔵庫の中身を勝手に食べられる・使われる、使った食器が洗われずに放置される、掃除当番をサボるなどもよく発生する問題です。たとえシェアする部分が限られていても、まったく知らない人と一緒に暮らすというのは、いろいろなストレス耐性が必要になってきます。
日本の家は狭いとよくいわれますが、英国の家もロンドンのシティセンター近くになるともちろん小さくなりますし(コロナ禍で広い土地と家、自然を求めてロンドン近郊部に移住する人が続出しました)、ひとり暮らしの部屋だけで考えたら英国も日本と同じくらいの広さ、もしくはそれより狭いかもしれません。
単純に比較することはできませんが、年収に対する家賃の割合に両国で大きな違いはないので、プライバシーが気になる人にとって日本の物件のほうがリーズナブルに感じるでしょう。
次回は、英国での家探しで避けて通れないトラブルについて紹介します。
(Moyo)
Moyo(モヨ)
新卒採用で日本の出版社に入社するも、心身ともに疲弊し20代後半にノープランで退職。それまでの海外経験は数度の旅行程度だったが、イギリスへ語学留学ののち移住した。そのまま、あれよあれよと7年の月日が経ち、現在はフランスに在住。ライター、エディター、翻訳家、コンサルタントとして活動している。最近ようやくチーズのおいしさに少し目覚める。