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天候や気圧の変化で起きる「天気痛」 リスクが高まる主な要因など気象予報士が解説
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逃げられない気圧の変化 予報やチェックシートを活用して対策を
――天気痛が起きるリスクの高い条件を伺いましたが、どう対処すればいいのでしょう?
「気圧は常に身の回りにあって逃げることができず、気温などと違い服装やエアコンで調整できません。天気痛のリスクを高める気圧の変化3種類を紹介しましたが、要因が1種類ではなく、2つ以上の影響を受ける人もいますし、解明されていないことも多く、今はまだ検証を重ねている段階です。
佐藤純医師による天気痛の人への指導では、耳をマッサージして内耳の血行を良くするなど、いろいろな対処法があります。また、ウェザーニュースの『天気痛予報』では天気痛が起きるリスクを予測し、市区町村ごとに『安心』『やや注意』『注意』『警戒』の4段階で予報を発信。あらかじめスケジュールを調整したり、早めに痛み止めを飲んだりといったことに、役立てていただければと思います」
――人によっては「なんとなく天気が悪いと調子が良くない」と感じつつ、天気痛であることの自覚が薄い人もいるのでは?
「ウェザーニュースには佐藤純医師が監修し、解説を添えた『天気痛チェックシート』があります。天気痛であることを特定まではできませんが、可能性を3段階で診断するものです。佐藤純医師によると、今年は猛暑の影響で自律神経がかなり疲れている人が多く、これまで天気痛ではなかった人でも、症状が出る可能性があるといいます。簡単にチェックできるので、『もしかして……』と思ったら、ぜひ一度、試してみてください」
――天気痛の人に向けて、この秋「天気予報でこのキーワードがあった際には、注意を」といったポイントを教えてください。
「秋は低気圧と高気圧が交互に日本列島を通過するため、低気圧や前線による雨が夏に比べて増え、寒暖差も大きくなります。雨の予報や、天気図を見て低気圧が近づいてくるときには、天気痛に注意してもらいたいです。
また、台風シーズンでもあるため、台風による天気痛にも注意が必要です。台風の雲(積乱雲)は、微気圧変動を発生させます。秋は台風から遠く離れた場所まで微気圧変動が届きやすい時期なので、台風が離れているときから天気痛のリスクが高まることも。台風がまだ遠くにある段階から天気痛予報をチェックして、事前対策に役立てていただきたいですね」
(Hint-Pot編集部)