仕事・人生
会社員と週末寿司職人の修行を両立した30代女性、フィンランドに移住「始めるのに遅すぎることはない」
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移住して最もうれしかったことは「暮らしのおすそ分け」
こうしてヘルシンキで働き始めたchikaさん。実際に住んで、どんなことを感じたのでしょうか。
今も変わっていないのは「距離感が心地いい場所」という第一印象です。「一番ほれた理由が変わらなかったということはすごくよかったし、強い確信にもなりました」と、力を込めます。
フィンランド人の温かみに触れた経験もありました。中でもうれしかったのが、「暮らしのおすそ分け」です。とある中華料理店の常連から「20年以上通い続けているお店の裏メニューを教えてあげるよ」と紹介され、足を運びました。「愛してやまない特別な場所を分けてくれただけじゃなくて、街とのつながりもプレゼントしてもらったような特別なおすそ分けでした」と、振り返りました。
フィンランドで感じた日本文化との違い 酒類販売に制限
一方で、日本との違いに気づかされたこともあります。
「フィンランドの人もお酒大好きなんですけれども、21時を超えると、アルコール度数5.5%以上のお酒はビールを含めて、お店で一切買えなくなってしまう。私もお酒飲むことが好きなんですけど、仕事終わりにコンビニで24時間いつでもビールが買えるような感覚は通じなくて、日本との違いを感じました」
アルコールの販売は国営企業が管理。その背景には、アルコール中毒者の増加を抑制する狙いがありました。「特に冬は暗くて寒くい日が続き、私自身も家で過ごす時間が長くなるにつれて酒が進んでしまうなと感じ、気を付けるようになりました」。これは短期の旅行では分からない気持ちかもしれませんね。
また、冬が長いフィンランドは、ヘルシンキでも氷点下10度を下回ることがあります。「冬は日照時間も短いので、昼の2時にはもう真っ暗になるんですよね。なので部屋の中でも太陽光を感じられるように、家電量販店なんかではライトセラピーの一環で明るい光を発する太陽ライトというものが冬になると売られています」と、続けました。