基礎代謝を高めて痩せやすい体に導くダイエット点滴

　年を重ねると、太りやすくなり痩せにくくなったと感じるのは、体内で生成されるアルファリポ酸やL-カルニチンが減少することが原因のひとつです。これらの成分はエネルギー代謝に関わるものですが、加齢とともに生成量が減ってくるため、点滴によって効率良く補うことで、代謝のいい体に導きます。

　脂肪燃焼を促すものですが、これを注入したからといって脂肪が溶けてなくなるわけではありません。あくまでも脂肪を燃焼しやすくする環境をつくるものなので、適度な運動が必要です。ウォーキングなど有酸素運動とセットと考えてください。

　週に1回のペースで継続して行うことで痩せやすい体へと導かれ、ダイエット効果が期待できます。

疲労回復や風邪予防にはニンニク点滴

　スポーツ選手などハードな運動をする方が利用していたことで注目されるようになったのが、ニンニク点滴です。ニンニクエキスを注入しているわけではなく、主な成分はニンニクに多く含まれるビタミンB1です。疲労回復にと謳った市販の「アリナミン」もビタミンB1を摂取できるものです。もちろんニンニク点滴のほうが市販の栄養剤やドリンク剤よりも即効性があり、効果も高いです。

　よく、ニンニク臭くなるといわれますが、体からにおいが発せられるわけではなく、鼻の血管を通るときに自分が「ニンニク臭いな」と感じる程度です。人に会う約束がある日でも大丈夫です。

　ほかの点滴と違い即効性があるので、極度の疲労があるときや、風邪のひき始めに1回注入するだけで継続する必要はありません。

　美容点滴だけに頼らず、普段からバランスの取れた食事、適度な運動を心がけてください。そのうえで、気になる肌の悩みや体の不調を改善するために美容点滴を活用しましょう。

（岩淵 美樹）

佐藤 卓士（さとう・たかし）

1970年4月7日生まれ。九州大学医学部卒。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽を積む。医学博士、日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会に所属。2018年よりアヴェニュー表参道クリニック院長として、形成外科・皮膚科で学んだ知識と経験を基にわかりやすい説明を心がけ、日々診療を行う。