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肝硬変と闘病中のブル中野、寝たきり状態から回復 一時は「生きていく気力全くない」 充実のスローライフ

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム

ゴルフ場で取材に応じたブル中野さん【写真:Hint-Pot編集部】
ゴルフ場で取材に応じたブル中野さん【写真:Hint-Pot編集部】

 2020年6月から肝硬変で闘病中の元プロレスラー・ブル中野さんが元気な姿を見せています。約2か月の入院を挟み、一時は寝たきり状態になったものの、生活習慣や食事を見直し、体調も上向きに。自宅にはジムを併設して筋トレを始め、大好きなゴルフも本格的に再開しました。「普通の人と同じ生活が楽しい。プロレスをやっている現役のときの勢い、取り戻せた」というブルさんに、退院後の歩みを聞きました。

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黄疸、腹水…酒を飲み続けた毎日が一変 家庭菜園も挑戦

 ブルさんと待ち合わせしたのは、千葉県内のゴルフ場でした。パンダの帽子に白シャツ、グレーのミニスカートという姿。

「夏以外はほとんどゴルフをやっているので、歩くし、だいぶ回復しました。肝硬変になった当時は、記憶力だったり生きていく気力とかは全くなかったんですけれども、今はもう本当に次は何をやろう、あれもやりたいこれもやりたいっていうすごくいろんな自分の願望だったり夢がどんどん出てくる感じで、それに向かって生きている感じです。全女のプロレスをやっている現役のときの勢いですね。それが取り戻せたかなっていう感じです」

 この日はレスラー仲間とハーフラウンドを回りました。かつてプロを目指したこともあるだけに、スイングは豪快です。

 3年半前、肝硬変と診断されたとき、体には随所に異変が生じていました。

「黄疸も出て、目も黄色くなっていたし、あと腹水ですよね。栄養失調の子どもみたいにお腹に水がたまって…。肝臓は機能してないから自分で尿が排出できないんです。お腹がどんどん大きくなっていって、寝たきりな状態でした」

 長年、東京・中野で飲食店を経営。午後7時からの営業では、客と一緒に酒を飲み続ける毎日でした。

「午前11時ぐらいに起きて、お店が始まるのが午後7時。7時から行くか、お客さんと同伴して8~9時ぐらいに行くか。12時に営業が終わってからも絶対アフターがあるんですよ。寝るのは3時、4時でしたね」

 不調の自覚はありましたが、なかなか病院へと足が向きませんでした。

「入院しな、入院しなって旦那はいつも言っていたんですけれども、入院したくない。入院したら、出れないのは分かっているから。だけど、入院させてくれたことでお酒をやめられたんですよね。2か月飲まなかったから」と、ブルさんは笑顔を見せました。

 このままでは命に関わるところまで追い込まれ、ブルさんの人生は大きく変わりました。

「退院したときにはもうお酒は全く飲みたくなかったんですね。飲まないと食事が食べれるんです。飲んじゃうとそれだけでカロリーを取っているから食べたくないんですよ。だけど飲まないから糖質を取りたいし、どんどんご飯を食べたくなって、そこから元気になりましたね」

 現役引退後に減量のため、胃のほとんどを切除。それでも今回の退院後は、3年間で体重が5キロほど増加したと言います。しかも、ただ重くなっているわけではありません。「筋肉が増えているんだろうなと思っています」。

 2年前に引っ越し、自宅にジムを併設。ベンチプレスを中心としたウエートトレーニングを日課にし、肉体改造に取り組んできました。