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日本の休日は少ない? 英国との違いを比較 日本人に長期休暇が根づかない理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:Moyo

ホリデーを取らないと怒られる英国 ホリデーを取ると怒られる日本

 日本と大きく異なる点は、ホリデーを取らないと怒られること。最初の頃は、染みついた習慣で休みを取る意識もなかったですし、そのうちでいいかと思っていたら「ホリデー全然取ってませんよね? 取ってください!」と何度もつつかれてしまいました。

 さらに、一気に1~2週間連続で休んでも後ろ指を指されることがありません(会社によって2週間が限度、連続○○日が限度などルールがあると思います)。もちろん業務、職務によっては難しいケースもあると思いますが、実際に私の同僚たちもマネージャー陣も当然のように休んでいたので「2週間取らせてください!」など、私もいつしか躊躇なくリクエストできるように。

 業界のせいかもしれませんが、日系企業で勤続20年の特典として、ようやく1週間休暇を年に2回取れるようになった知人がいます(これまでは1週間休暇を年1回が限度)。日本だといかに長期休暇を取るのが難しいか物語っていますよね。

 また、その間に仕事が止まるのはみんな承知のこと。とくに7~8月の夏場や、12月のクリスマス期間は大半の人がホリデーを取るので、その間は大きなプロジェクトが動かなくなります。みんな仕方ないと思っているので、いくら予定より遅れようとも「仕方ない」で済んでしまう感じです。

 ちなみに、日本ではけっこうおなじみの、職場でのお土産配りといった習慣はありません。もちろん、どうしてもシェアしたいお菓子がある! などといった理由で買ってくる人もいます。私も買うことがありましたが、上司や同僚に対して休みへの“罪滅ぼし”のように買ってくるといった文化には遭遇しませんでした。

 今でも日本の友人と旅行すると、職場に何人分のお土産を買っていかなきゃ、個包装のお菓子で、日持ちするものじゃなきゃダメなどとと、大変そうなお土産選びの場面に立ち会うことが。

 私自身も昔はそうでしたし、そうしたシーンを見かけて、気づいていなかったしがらみから解放されているなと気づくこともあります。こちらでは、ホリデーがいかに楽しかったかという話が十分お土産になるのです。

浮き彫りになるホリデーへの考え方

英国のライ村。週末を使った短いホリデーで近郊を探索【写真:Moyo】
英国のライ村。週末を使った短いホリデーで近郊を探索【写真:Moyo】

 蛇足ですが、つい最近、日系企業の方とフリーランスのお仕事のスケジュールについて話をしていて「今後、もしホリデーなどで1~2週間ほどお休みをいただきたい場合、どれくらい前にお伝えすればいいですか」と質問したら、先方が返答に困ってしまったことがあります。

「今までそのような質問をされたことがなかったので、確認してからお答えしますね」と言われて、改めて日本はまだまだホリデーの概念が薄いのかなと少し感じました。

 現在、おつきあいのある海外企業ですと、向こうから「先に何週間前までに教えてほしい」や「その都度スケジュールを更新すればOK」など、フリーランスでも誰でもみんな休むのが当たり前というようにルール、システムが確立されています。私もそれをいつからか当然のように思うようになっていたんだなと、改めて気づいた出来事でもありました。

 このように、ホリデーに関する意識が180度変わったのは、間違いなく英国での仕事経験だと思います。長距離マラソンのようにヒーヒーハーハー言いながら、平日週末関係なく仕事をすることが避けられないときもあるかもしれません。しかし、ときにはまとまった時間を使ってリフレッシュして、新しい活力を養うというサイクルはとても大事だと思います。

 みなさんもぜひ、意識的にホリデーを取ってください!

(Moyo)

Moyo(モヨ)

新卒採用で日本の出版社に入社するも、心身ともに疲弊し20代後半にノープランで退職。それまでの海外経験は数度の旅行程度だったが、イギリスへ語学留学ののち移住した。そのまま、あれよあれよと7年の月日が経ち、現在はフランスに在住。ライター、エディター、翻訳家、コンサルタントとして活動している。最近ようやくチーズのおいしさに少し目覚める。