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残業しようとしたら上司が驚きのひと言 日本人女性が英国移住で変わった働き方への意識
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行動力がすごい! 1年もしないうちに転職する人も
日本との大きな違いは、終業時間だけではありません。英国では転職が当たり前です。一般的に2~3年のサイクルで移る人が多く、その理由はキャリアアップはもちろん、より高い給与を求めるから。
早い人では1年もしないうちに辞めていくこともあり、退職報告を兼ねた「またね」メールを受信するたびに「あれ、この人この前入ったばっかりだったよな?」と感じることも少なくありませんでした。
所属する会社でも、もちろん給与交渉や給与アップの機会はありますが、大幅な上昇は見込めないことが多いと思います。そのため、転職したほうがスピーディに効率良く給与アップしやすいという意識があるからかもしれません。
以前の職探し編で少し触れたように、経験が物を言う世界。転職を重ねるほど、これだけの経験を積んできました、あなたの会社でこれらを使って即戦力になり、もっと貢献できますとアピールでき、次々と給与交渉しやすくなるのです。
さらに、英国で働く人たちは自分に合う、合わないにとても正直。石の上にも3年という意識よりかは、今この瞬間、そしてちょっとこの先に学ぶことがない、キャリアアップの道がないなと思ったら、すぐに離れていってしまう印象を受けました。
当時30代に入りかけた私より若い同僚でも、すでに3~4社経験済みというのも普通です。一度フリーランスになったり、また正社員に戻ったり、やっぱりフリーランスで独立したり。いろいろな道を経てきた人に接することが多く、すごい行動力だなと感嘆したのを覚えています。
会社にいる「furniture」は「家具」じゃない!
一方で、日本のように同じ会社に勤め上げる人ももちろんいます。初めて会った同僚に「I’m furniture here」と自己紹介されたときには、「え、家具?」と意味がわからなかったのですが、聞くところ「furniture(家具)」は「ずっとそこにあるもの」としてのスラングで使うのだとか。その同僚は当時で勤続6~7年でしたが、2~3年で転職していくのがスタンダードな世界では“ずっと”の域に入っていたようです。
日本では終身雇用意識がまだ根強いので、「そしたらほとんどの人がfurnitureになるかも」と返したら、ほかの英国人同僚は「祖父母、親世代などは同じ会社に勤め上げるのがけっこう普通だった」と教えてくれました。
頻繁な転職が英国で普通になってきたのは、ここ最近のトレンドなのかもしれません。日本でも、昔に比べたら転職がだいぶ活発になってきたと思います。英国と同じような動きがこれから起こるのかもしれませんね。
(Moyo)
Moyo(モヨ)
新卒採用で日本の出版社に入社するも、心身ともに疲弊し20代後半にノープランで退職。それまでの海外経験は数度の旅行程度だったが、イギリスへ語学留学ののち移住した。そのまま、あれよあれよと7年の月日が経ち、現在はフランスに在住。ライター、エディター、翻訳家、コンサルタントとして活動している。最近ようやくチーズのおいしさに少し目覚める。