からだ・美容
老け見えが気になる更年期 シミやクマを体の内側から改善 プロが教える「食養生」とは
公開日: / 更新日:
五臓六腑を映し出す舌 毎日のセルフチェックで確認を
さて、ここからはシミを体の内側から防ぐために役立つ薬膳的なチェック方法「舌診」を紹介します。舌の色や形、舌苔の有無で体調の状態や不調のサインを確認する方法です。中医学では「舌は体の鏡」といわれるほど、人体の五臓六腑と関係が深いものとしてとらえます。
体調に問題がない舌の色は、ピンク色か淡い赤い色です。しかし、お血タイプの舌の色は舌全体が赤紫色や青紫色で、裏にある静脈が太く暗い青紫色になっています。
私は薬膳講座で受講生の舌裏を見せていただく機会があるのですが、お血タイプの舌の裏は、ほぼ静脈が太く暗い青紫色になっています。そしておかおにはシミがちらほら……。くすみやクマで、肌のトーンが暗めの人がほとんどです。
それくらいわかりやすく判断できるので、みなさんも日々のセルフチェックのひとつとして、ぜひご自身の舌を観察してみてください。
シミが気になるときは血行を促す食材を使おう
血が滞ってめぐりが悪いとき、薬膳では全身の血行を促進する「活血化お(かっけつかお)」という効能を持つ食材を、日々の食事に意識して取り入れるようにします。たとえば、野菜であればタマネギ、ニンニク、らっきょう、エシャロット、パセリ、クレソン、ニラなど。果物ならばベリー類、桃などです。このほか、青魚や黒米、黒豆、酢、甘酒も良いですし、お茶であればバラ、ローズヒップ、ハイビスカス、紅花もおすすめです。
手軽な薬膳料理で紹介すると、タマネギとニラをたっぷり入れたチヂミに、刻んだエシャロットと黒酢を加えたタレで召し上がってみてください。
揚げ物が大好き、甘いお菓子を毎日食べないと落ち着かない、冷たい飲み物ばかり飲んでいる人は、お血の状況を悪化させてしまいます。更年期の人はなるべく控えるのが好ましいでしょう。
食養生を始めたら、ご自身の舌の状態がどう変わっていったかを観察することもモチベーションのひとつになります。体の内側からのシミ対策に、楽しく取り組んでいきたいですね。
(かみむら 佳子)
かみむら 佳子(かみむら・けいこ)
大学卒業後、ハウスメーカーの営業職にて勤務後、28歳でフードコーディネータースクールに通い、アシスタントを経て独立。35歳で第2子流産後に続いた体調不良をきっかけに、薬膳を学び始める。「あなたスタイル薬膳RKazen」を主宰し、身近な食材で手軽に養生を実践する簡単薬膳や中医学の指導、セミナーなどで活動中。