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カルチャー

「何度もテイクを重ねて…」 原作者とプロデューサーが語るドラマ「アンメット」の裏側

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・鍬田 美穂

脳に損傷を負った人が見ている世界を再現

1話では脳梗塞による後遺症を抱える患者の“主観映像”も【写真提供:カンテレ】
1話では脳梗塞による後遺症を抱える患者の“主観映像”も【写真提供:カンテレ】

 ドラマの中では後遺症を持つミヤビが、毎朝リセットされる記憶を補うため日記をつけ、出勤前に読んで一日をスタートさせるシーン。そのほか、各話に登場する患者が直面する、症状や後遺症が描かれています。

 そうした状況を象徴する場面が、1話に脳梗塞による後遺症を抱える患者の“主観映像”にありました。まず客観的な世界では、言語聴覚士が患者に指示を出しています。それに応えて患者は対応しようとしますが、うまくできません。

 続いて、患者が見ている世界が映し出されると、とても集中しているのに、言語聴覚士の声は途切れ途切れで歪んでいて、何を指示されているのかよくわからない状態です。

 米田さんは「あの場面は、患者さんには実際どう見えているのか? どう聞こえているのか? 子鹿先生や監修の臨床医の先生に教えていただき、何度もテイクを重ねて制作しました」と話し、慎重に撮影したことがうかがえます。

 脳に障害を負うことによって、それまで当たり前にできていたことができなくなる。知識として知っていても、理解しきれないことが、その映像でダイレクトに伝わったと感じた人も多いシーンです。

 原作漫画でも描かれていますが、実写ドラマだからこそ、よりリアルな描写になっています。こだわって撮影されたと感じられる映像に、作品の誠実さを感じた人が少なくなかったようです。