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「何度もテイクを重ねて…」 原作者とプロデューサーが語るドラマ「アンメット」の裏側

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・鍬田 美穂

制作陣だけでなく キャストからのアイデアも

米田プロデューサーが、役ではなく「三瓶として現場にいる」という若葉さん【写真提供:カンテレ】
米田プロデューサーが、役ではなく「三瓶として現場にいる」という若葉さん【写真提供:カンテレ】

 米田さんが語るドラマのテーマは、1話の最後にミヤビが日記に綴る「わたしの今日は、明日に繋がる」。大きな後遺症があり、記憶がリセットされるにもかかわらず、ミヤビが明るく前向きに、今日の自分の努力が明日につながることを信じる姿が魅力的です。

 そんなミヤビのキャラクターは、劇中でたびたび出てくる食事のシーンにも表れています。大きな口を開けて、食べ物を頬張る姿に屈託のない人柄が。そうした制作陣による演出に加え、米田さんによると杉咲さんが「ミヤビなら、こうする」と提案するなど、俳優陣がアイデアを出すことも多いそうです。

「2話の病院を抜け出した患者・亮介がサッカーの練習を諦めようとすると、ミヤビが『やめないよ』と言うのは、杉咲さんが『ミヤビならこう言う』と。スーパードクターではない、ミヤビの患者の向き合い方を体現していると思います。杉咲さんだけでなく、脚本について日々ディスカッションしながら撮影していて、小さいことから大きなことまで、みんなで作り上げている現場です」

 もうひとりの中心的なキャスト、変わり者の脳外科医・三瓶を演じる若葉竜也さんについて、米田さんは「すさまじい俳優」と評します。

「3話で手術を成功させたミヤビを、みんなが居酒屋でねぎらうシーン。三瓶がミヤビをとても優しい表情で見ていました。カットがかかり、そのことを指摘したら、若葉さんは『そうでしたか?』と覚えていないんです(笑)。三瓶としてミヤビを見ていて、自然にそういう表情になっていた……。セリフについても『三瓶なら、どう思う?』と、若葉さんにではなく、三瓶としての意見を聞くような相談をする感じですね」

人気キャラクター・星前宏太役の千葉雄大さん【写真提供:カンテレ】
人気キャラクター・星前宏太役の千葉雄大さん【写真提供:カンテレ】

 また、脇を固めるキャストでは、救急部長と脳外科を兼務する星前宏太役の千葉雄大さんも、かなり目を引きます。子鹿先生によると「包容力があるのが魅力ですよね。実は連載当初のファン投票で、星前が1位になったほど」という人気キャラクターです。

 米田さんはドラマのうえで「実は第3の登場人物は重要」と語り、撮影前の千葉さんとのディスカッションを明かしてくれました。

「しんどい話が多いなか、“出てくるだけで明るくなる人”と思い、千葉さんにお願いした際、『明るいも、いろいろありますよね?』と言われたんです。星前はコミカルな役ですが、ミヤビや三瓶に伴走し続ける人でもあります。そうした星前の存在感を引き出しの多い千葉さんが、すごく魅力的に作ってくれている。コメディもシリアスもできるオールラウンダーで、短いくだりでも、すごく満足度の高いシーンを作り上げています」

 そのほかにも、厳しいけれど温かい看護師長・津幡玲子役の吉瀬美智子さん、姉御肌な麻酔科医・成増貴子役の野呂佳代さんなど、魅力的なキャラクターがたくさん。物語が終盤へと盛り上がるなか、どんな演技が見られるのか楽しみです。

 後編では、ミヤビの状況を例にしながら、脳と記憶について子鹿先生に解説してもらいます。

◇ドラマ「アンメット ある脳外科医の日記」番組概要
原作:子鹿ゆずる(原作)・大槻閑人(漫画)「アンメット-ある脳外科医の日記-」(講談社「モーニング」連載)
出演:杉咲花、若葉竜也、岡山天音、生田絵梨花、山谷花純、尾崎匠海(INI)、中村里帆、安井順平、野呂佳代、千葉雄大、小市慢太郎、酒向芳、吉瀬美智子、井浦新
放送日時:カンテレ・フジテレビ系列 毎週月曜日22:00~22:54
配信:カンテレドーガ、TVerにて最新話を無料配信。FOD、ネットフリックスにて最新話まで全話配信
制作著作:カンテレ
制作協力:MMJ

(Hint-Pot編集部・鍬田 美穂)