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「家族が一緒にスーパーへ行ってくれない(笑)」 成城石井トップバイヤー ヒット商品選びの秘訣とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・鍬田 美穂

食品添加物など多くの基準 自社で検査し見送ったものも

展示会で商談する濱田さん(左)【写真提供:成城石井】
展示会で商談する濱田さん(左)【写真提供:成城石井】

 展示会に同行経験がある広報担当によると、バイヤーたちは渡航の乗り継ぎ時間も、効率的に会場を回るための作戦会議。時間いっぱい会場を飛び回り、「空き時間も暇があれば現地スーパーへ行き、店から出てこなくて……(笑)」と感心しつつ笑います。

 濱田さんは「普段も同じ感じだから、家族が一緒にスーパーへ行ってくれないんです(笑)」といい、買い物に誘っても「ひとりで行って」と断られてしまうそう。根っから食品が好きで、仕事を離れても探求心が止められないようです。

 ただ、多くの商品をチェックするのは、最初の段階。商品の魅力だけでなく、多くの基準を満たさなければ店頭に並べられないと濱田さんは語ります。

「流通や店頭に並べるのにパッケージに問題がないかや、日本の食品基準などクリアすべき条件がたくさんあります。資料では大丈夫でも、自社で検査をしたら日本では認められていない食品添加物が使われていて、見送った商品もありました」

商談では食品添加物なども確認【写真提供:成城石井】
商談では食品添加物なども確認【写真提供:成城石井】

 多数のメーカーと取引していますが、海外メーカーとの商談に苦労することも。2023年時点で216店舗を展開し、国内では知名度があっても、海外での認知は高くありません。

「知られていないため、話を聞いてもらえないこともあります。世界の大手スーパーと比較したら店舗数が少なく、取引量も小さい。そこで実際の店舗写真などを見せて、こだわりや、どんな商品を継続的に扱っているのか、まずは“当社を知ってもらう”のが大事ですね」

 自国の商品や他国の有名ブランドが売られているのを見て、ようやく商談に応じてもらえるケースも少なくないそうです。