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「ツッコミどころ満載な“余白”が魅力」 夏の終わりの昆虫標本作り 子どもと作れる工夫に目からウロコ

公開日:  /  更新日:

著者:こばやし なつみ

100円ショップのアイテムで工夫 簡単標本の作り方

100円ショップで買った取っ手付き半透明ケースで作った標本バッグ【写真:こばやしなつみ】
100円ショップで買った取っ手付き半透明ケースで作った標本バッグ【写真:こばやしなつみ】

 我が家で実践している、カブトムシやクワガタムシの簡単標本作りに最低限必要な工程は「1. 死後の個体が乾燥していること」「2. 防虫剤をつけて保管すること」です。その2つを守ることで、腐敗や虫の発生などは防げています。また、庭で採ったカミキリムシも同じように子どもが標本化しましたが、変わらない姿で今も標本箱に並んでいます。

 完璧な標本を作ることが目的ではなく、未就学児~小学校低学年の子どもたちと一緒に楽しく作ることを第一目的に、最低限の工程で作ってきました。本や図鑑を参考にしながらも、省いている工程があります。

【用意するもの】
・死んだカブトムシやクワガタムシ
・土台となる発泡スチロール(食品トレーもしくは厚さが2センチ程度のもの)
・虫ピン 2~3本程度(1個体につき)
・まち針 15本程度(1個体につき)
・ピンセット
・標本箱(透明なプラスチックケースなど)
・防虫剤(洋服ダンスにいれるタイプなど)
・ティッシュ
・両面テープ

【下準備】

個体と土台の厚さの合計から、標本箱の厚さを決める【写真:こばやしなつみ】
個体と土台の厚さの合計から、標本箱の厚さを決める【写真:こばやしなつみ】

・標本箱は個体の厚みに合わせて、個体の全身が収まるサイズを選ぶ
※とくにカブトムシは体に厚みがあるので、4センチ程度必要(土台含めて)
・死後の個体の背中を軽くティッシュで拭いて、土などを落とす

【作り方】

裏返した食品トレーにミヤマクワガタを針で固定【写真:こばやしなつみ】
裏返した食品トレーにミヤマクワガタを針で固定【写真:こばやしなつみ】

1. 【整える】死亡を確認した個体の手足を、ピンセットでなるべく早く左右対称に軽く伸ばして整えておく(時間の経過とともに関節が硬くなっていくため)
2. 【乾燥】個体を1~2週間程度、野外の日陰で乾燥させる
3. 【固定】土台となる発泡スチロールの上に個体をのせる。個体の右胸あたりに、虫ピンを指して貫通させる。必要あれば、あと2~3本で体を固定する
4. 【整える】手足を止める際、まち針を左右からクロスさせるように刺して固定する
5. 【完全乾燥】4の状態で、さらに1か月ほど高温多湿を避けられる場所で乾燥・保管する
6. 【標本箱へ収納】完全に乾燥したら、まち針をすべて取る。好きなスタイルで個体と防虫剤を標本箱に収納して完成
※発泡スチロールは、標本箱にそのまま納まるサイズにカットするなどして事前に用意しておくと、そのまま収納できて簡単
※発泡スチロールを、各個体よりもやや小さめにカットして土台にし、両面テープで箱に固定するとより全身を観察しやすい
7. 【ラベリング】お好みで採集した日付、場所などを記録

<作成後のお手入れ>
・体や手足のパーツが一部取れたら、透明性の瞬間接着剤や木工用ボンドでつけることができる
・防虫剤は半年~1年に1度は交換する