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からだ・美容

「天人合一」「薬食同源」「未病先防」…なんて読む? 健やかな食の3つのキーワード【薬膳の基礎1】

公開日:  /  更新日:

著者:村上 華子

3つのワードを知り、体調や自然環境の変化に合わせて作る

〇その3 「未病先防」(みびょうせんぼう)
「未病」とは、病気ではないけれど、心や体に現れている不調のこと。未病先防は、日々の養生によって、これらの不調を未然に防ぐことです。自分を観察する習慣がつくことで、心と体が発するシグナルをいち早くキャッチして、その都度、最適な対処を選べるようになることが可能に。ひいては、ヨガなどと同様に、自分を知るためのツールとしても役立ちます。

 例えば、貧血気味だなと感じたら「血を補う食材(例えば、人参、ほうれん草、あさり等)」を選び、冬の寒さから血行不良を引き起こし、つらい冷えを緩和したい時には「体を温め(鶏肉)、気血の巡りを促す食材(ニラ、玉ネギ等)」を使うなど、自分の体に足りない要素を、身近な食材の力を借りて補うこと。つまり、食材の効能を考えて、体調や自然環境の変化に合わせて作る食事を「薬膳料理」と呼びます。

 もちろん、状況によっておすすめしない食材や調理法もあるのですが、基本的には「あれはだめ、これはだめ」という精神的にも重圧がかかるような厳しい節制を設けるものではありません。例えば、お酒と豪華な食事を楽しんだ日があれば、翌日の朝は「消化を助ける温かいスープやお粥でおなかをいたわろう」というように、心と体に過度な負担をかけず、バランスを調整していく方法でもあります。目指したいのは、「美味しく食事をしていたら、なんだか最近調子がいい!」ということです。もうひとつ、薬膳は「料理」「食養生」といいながら、実は「食べる」だけではないんですね。季節の変化や体質の傾向、生活習慣など、食事を含めた暮らし方を総合的に見直していく「生活養生」も大切にしています。

 次回は、人体を構成する基本物質「気・血・水(体質)」についてお伝えしていきます。薬膳では、体内にある「気・血・水」の量が適切で、これらが滞りなく十分巡ってることが「健康の証」なのです。これらのバランスの簡単なチェック方法と、それぞれの働きを助ける食材や、暮らし方のコツなどについてもご紹介していきます。

(村上 華子)