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難病の女性が「人生の手綱」を取り戻せた理由 多くの人の命救う献血 正しい知識を専門家に聞いた
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難病患者さんの人生を豊かにすることに直結する献血
CIDP当事者の池崎悠(はるか)さんは、免疫グロブリン製剤による治療を通じて、人生を豊かにすることができたと語ります。池崎さんは学生時代に発症しました。日常生活が大きく制約され、手足が動かせなくなったことで、学校生活や将来に対する不安を抱えていたそうです。しかし、CIDPと診断されて適切な治療を受けることで、再発と回復を繰り返しながらも、大学生活や就職活動を乗り越えることができました。
池崎さんは、「継続的に免疫グロブリン製剤で治療できるおかげで、体調を安定させることができ、日常生活が豊かになりました。たとえば、以前は料理や家事をするのも難しかったのですが、治療を受けたあとは自分でできることが増え、毎日を楽しむ余裕ができました」と話します。結婚後は無事に出産を経験し、育児にも取り組むことができています。自分と同じような困難に直面している慢性疾患当事者の支援活動にも、積極的に参加しているそうです。
「病気を抱えながらも、私は今、前向きに生活を送っています。献血による血漿分画製剤がなければ、このような生活は考えられなかったでしょう。献血のおかげで、私は人生の手綱を取り戻し、やりたいことを追求することができています。今後は、私の経験をほかの患者さんたちにシェアし、彼らの支えになれるような活動を続けていきたいです」
神経免疫疾患を専門とする医師である三澤先生も、免疫グロブリン製剤が患者の治療において、いかに重要かを強調しています。とくに、CIDP(慢性炎症性脱髄性多発根神経炎)の患者に対しては、この製剤が日常生活の質を維持するために不可欠だということです。
「CIDPの患者さんは、筋力の低下やしびれといった症状が進行すると、歩行や食事、入浴といった基本的な日常動作すら困難になります。そうした患者さんが、自立した生活を維持し、社会参加を続けられるかどうかは、適切な治療にかかっています。免疫グロブリン製剤により、こうした症状をコントロールし、生活の質を大幅に向上させることができます。治療前にはできなかったこと、たとえば仕事への復帰や家族・友人との外出などができるようになります。これにより、患者さんの精神的な安定や、人生の充実感も大きく向上します」
免疫グロブリン製剤は、献血から得られる血漿を原料にして製造されています。患者さんが普通の生活を送れるようになるのは、ほかならぬ献血への協力者のおかげです。無償で献血に協力することで、患者さんたちの充実したサポートを作ることにダイレクトに貢献できるのです。
「献血によりたくさんの方の人生や命が救われている現状を、もっと多くの方に知ってもらい、献血への協力を呼びかけたい」と、三澤先生は強く訴えます。