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難病の女性が「人生の手綱」を取り戻せた理由 多くの人の命救う献血 正しい知識を専門家に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

近年は献血ルームも進化 お気に入りを探すのもあり

 献血に立ち寄ると、お菓子やジュースをもらえるなどします。最近では、動画配信サービスを視聴できたり、ゆったりできるふかふかのリクライニングチェアで休めたり、コワーキングスペースが併設されている献血ルームも登場しています。

 また、かつては紙のカードだった「献血手帳」は、献血ウェブ会員サービス「ラブラッド」に。献血するたびに累積されるポイントを使って、カトラリーセットなどの日用品と交換できるなど、日本赤十字社もより多くの人が献血に参加したくなる施策に取り組んでいます。

献血ウェブ会員サービス「ラブラッド」
献血ウェブ会員サービス「ラブラッド」

 積極的に献血に協力しているという東京・新宿区の飲食店勤務の福島千博さんが、自身のスマートフォンの献血ウェブサービスページを見せてくれました。

「都内の献血センターは全部行きましたね。なかでも、八重洲が一番のお気に入りです。渋谷の献血ルームもお菓子がいっぱいありますよ! 献血に100回行くと表彰されると聞いたので、そこまで頑張ろうかなと。現在50回くらいなので、まだ頑張ります。自分の命の一部で、見えない誰かのためになるのはうれしい。献血しても血液って3日間くらいしかもたないと聞いたことがあるので、継続的に協力したいと思っています」

献血100回を目指す福島さん
献血100回を目指す福島さん

 ポイントだけでなく、献血の回数が10回、30回、50回の節目になると記念品が贈呈されます。さらに、70回以上の場合は銀色有功章、100回以上の場合は金色有功章が授与されるそうです。

銀色有功章(左)と金色有功章【出典:日本赤十字社ホームページ】
銀色有功章(左)と金色有功章【出典:日本赤十字社ホームページ】

 献血は、誰かの命を救うことに直接的につながります。しかし、若年層の献血者数減少や血漿分画製剤の需要増加など、多くの課題に直面しています。献血の重要性を理解し、より気軽に、献血に協力していきたいですね。

◇三澤園子(みさわ・そのこ)
千葉大学医学部附属病院脳神経内科学准教授。1999年、千葉大学医学部卒業。2006年、千葉大学大学院医学研究院博士課程修了。2022年、慶応義塾大学大学院健康マネジメント研究科修士課程公衆衛生専攻修了。2017年より現職。日本神経学会CIDP・MMN診療ガイドライン作成委員会委員(事務局)、日本神経免疫学会レジストリ検討委員会CIDP分科会委員、日本医学会連合専門医等人材育成検討委員会委員、日本医療研究開発機構(AMED)難治性疾患実用化研究事業課題評価委員、中央社会保険医療協議会薬価算定組織特別委員。

(Hint-Pot編集部)