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「2~3日はお風呂に入らないのもよく聞く話」 イギリスのお風呂事情 日本人女性が日本は「なんて贅沢」と思った理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:Moyo

日本と異なるヨーロッパの水道代事情

 お風呂大好きな私の感覚だと、やはりベッドに入る前には、シャワーだけでもいいからさっと浴びてすっきりしたいもの。たとえ一歩も家から出ていなくても、ときにはお風呂にゆっくり浸かってリラックス、気分転換のようなこともしたいですよね。

 ですが、その感覚はこちらではほぼ皆無。水道代が比較的高いですし、環境配慮のためにそのような感覚がそもそもないのかもしれません。バスタブがない家も多いですし、シャワーは汚れを落とすという意味合いが強いのです。

2022年のイギリスの平均水道代(画像はスクリーンショット)
2022年のイギリスの平均水道代(画像はスクリーンショット)

 その水道代ですが、イギリスの水道会社Southern Waterによると、2022年のイギリスの平均水道代は二人暮らしで約34ポンド(約6460円)。2022年のフランスの調査でも約40ユーロ(約6400円。約4.08ユーロ/立法メートル)。私の経験上も、実際にこれくらいかかっていました。しかも、シャワーだけで済ませ、洗濯機も毎日回しているわけではないライフスタイルなのにです。

 そんなこともあって、光熱費込みのアパートや家を借りるとき、バスタブがある物件ではランドロード(大家さん)に「お風呂に浸かってもいいですか?」と必ず聞くのがデフォルト。場合によってはそもそもNGなこともありますし、大幅に上回った場合だけ払ってもらう可能性ありという人もいます。私がお世話になったランドロードの方々はみんなOKと言ってくれるタイプで、かなりラッキーだったなと思います。

 さらに、思い返してみればホームステイ先で「シャワーは5分だけ」と言われた子もいますし、ロングヘアを洗うために普段よりちょっとでも長く使うと注意された子も。水にまつわる話はけっこうシビアなことが多かったのも、いざ自分で暮らして光熱費を払うとようやく納得がいきました。

 日本のようにお風呂に浸かってゆっくり半身浴をしたり、本を読んだりできるのはなんて贅沢なことなんだろうと、しみじみ思わずにはいられません。

(Moyo)

Moyo(モヨ)

新卒採用で日本の出版社に入社するも、心身ともに疲弊し20代後半にノープランで退職。それまでの海外経験は数度の旅行程度だったが、イギリスへ語学留学ののち移住した。そのまま、あれよあれよと7年の月日が経ち、現在はフランスに在住。ライター、エディター、翻訳家、コンサルタントとして活動している。最近ようやくチーズのおいしさに少し目覚める。