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「外国人観光客が日本人よりも全然多い」 海外から火がついた“ネクスト白川郷”とは 白川郷の仕掛け人に聞く
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小さな仕掛けから始める 持続可能な観光産業の構築へ
観光庁がまとめている、日本国内居住者の2023年年間都道府県別集計表で岐阜県は31位ですが、観光庁「訪日外国人消費動向調査」の集計結果によると、外国人観光客の都道府県別訪問ランキングで岐阜県は15位。インバウンド客からの注目の高さが表れています。
しかし、急激に増えていくインバウンド観光客に対し、古くから生活や営みを変えていない地元の人たちは、言葉や文化の違いなどで戸惑いを感じないのでしょうか。
「翻訳アプリなどを使って交流しているんですよ」
中山道は歩いてめぐるのが主流のため、著名な観光地のように大型バスなどでインバウンド客が一気に来ることが少なく、個々に交流できるのも魅力のひとつだといいます。
「今でこそ白川郷はオーバーツーリズムのようになってしまっていますが、自分が関わったそのときの経験があるからこそ、バランスを見ながらやっています」
自身の経験を振り返りながら、中山道においては小さな仕掛けから始めました。
街道沿いにある古民家は、カフェになっています。もともと住んでいた人に声をかけ、改装してオープンさせたのです。外国人にも人気のおにぎりや地元食材などを使った料理、リクエストに応じてヴィーガン料理なども提供しています。
「自治体によっては、大きな誘致をしてしまうこともあります。そうすると、地域が疲弊してしまうこともしばしばです。地域が(大きな変化によって)疲弊しないようにすることが必要なんです」
広告や大きなプロモーションは行わない――そうすることによって、現地を訪れた観光客だけが見つけることができる“特別感”を創出。一人ひとりのレベルからのミクロな交流を後押ししています。インバウンド客が急激に増加しているなか、無理のない持続可能な観光産業の構築を目指しているのです。