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東京の老舗すき焼き店7代目が伝授 本当においしい「わりした」の黄金比
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教えてくれた人:宮本 尚樹
お正月のごちそうとして、家族や仲間と「すき焼き」を食べる機会が増える方も多いのではないでしょうか。すき焼きとは、しょうゆと砂糖の甘辛の味がバランスよく調和した日本独特の肉料理です。関東と関西など地域で調理法が異なるのも特徴ですが、肉のほかにネギや豆腐、しらたきなどの具材が用いられ、溶き卵をつけて食べるのが一般的。東京・日本橋で150年もの歴史を誇るすき焼きの老舗「伊勢重」の7代目・宮本尚樹氏に、家庭で楽しむおいしい「すき焼き」について聞きました。
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お正月に家族で楽しむ機会も多い「すき焼き」 わりしたで肉をさっと煮る関東風
「わりした」ってなに? そう思った人は関西地域の方かもしれません。「すき焼き」といえば、寿司、ラーメンに並ぶほど、外国人からも人気の日本の料理ですが、地域で作り方に違いがあるそうです。大まかにいうと、関東は、しょうゆ、みりん、砂糖といった調味料を合わせたわりしたを先に入れ、ひと煮立ちしてから肉や具材を投入します。一方、関西では先に肉を焼いてしょうゆや砂糖を直接入れて味付けするのが一般的だといいます。奥深いですね。
しかし、溶き卵をつけて食べるのは共通で、東京・日本橋で150年もの歴史を誇るすき焼きの老舗「伊勢重」の7代目の宮本尚樹さんによると「諸説あるようですが、ごちそうとして高級料理だったすき焼きに高級食材だった卵を合わせたとか、食べるときに熱いので冷ますためなどともいわれています」
おいしいすき焼きを作るには、わりしたが最大のポイント。そこで、宮本さんに、家庭のすき焼きが本当においしくなるわりしたの作り方、合わせる調味料の「黄金比」を教えていただきました。
「しょうゆ:みりん:砂糖:水=3:1:1:6」
つまり、3~4人前なら、しょうゆ180ml、みりん60ml、砂糖60g、水360ml。これらを小鍋に入れて軽く煮立たせ、アクを取ります。煮立たせる時間は、みりんのアルコールが飛ぶ程度でオッケー。粗熱が取れたら、保存容器に移して冷蔵庫でひと晩寝かせると、カドがとれてまろやかな味わいに。このひと手間でワンランクアップするそうです。