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揉んだり振ったりしすぎるのは逆効果 意外に知らない使い捨てカイロの効率的な温め方 メーカーに聞いた
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冬の防寒に便利な使い捨てカイロ。とくに、貼るタイプは温めたい場所に固定できるので、愛用している人も多いでしょう。気になるのは、効率的に体を温める使い方です。より温かくなる気がして何度も揉んだり、貼る位置に迷ったり、意外に知らないことが多いかもしれません。そこで、使い捨てカイロを製造販売しているアイリスオーヤマ株式会社に、お話を聞きました。
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衣類に貼るタイプと貼らないタイプの違い
――使い捨てカイロには、衣類に貼るタイプと貼らないタイプの2種類あります。粘着シートの有無以外に、違いはあるのでしょうか。
「まず、温かさの持続時間に違いがあります。また、衣類に直接貼るタイプは、最高温度が低めの設定です。
当社の『ぽかぽか家族 レギュラー』を例にすると、40度以上を保持し持続する持続時間は、衣類に貼るタイプが12時間に対して、貼らないタイプは16時間。最高温度は、衣類に貼るタイプが63度、貼らないタイプは68度になっています。ちなみに、平均温度は53度と52度で大きな違いはありません。なお、最高温度・持続時間・平均温度については、都条例に基づく測定値ですので、人体でのご使用の場合は若干の差異があります」
――なんとなく温かさが増す気がして、使い捨てカイロを何度も揉んだり、振ったりしてしまいます。こうした使い方に、より温度が上がる効果はあるのでしょうか?
「外袋を開封して、軽く振ったのちにポケットなどに入れるのが一番早く温まります。貼るタイプの使い捨てカイロは、外袋を開封すると、カイロの袋の中の鉄粉が空気中の酸素と反応し、温かくなる仕組み。貼らないタイプの使い捨てカイロは、外袋を開封して数回振ることで酸化反応が起こり、次第に温かくなる仕組みです。必要以上に揉んだり、振ったりすると発熱しにくくなったり、均一に温まらなくなる可能性があります。
また、ずっと出した状態で振り続けていると、熱が外に持っていかれて温まりが遅くなる傾向があります。暖かい空気は冷たいほうへ行くためです。ただ、しばらく放置して温度が下がった場合は、軽く揉むと温かさが少し復活します。これは外側が酸化してしまっていても、中に残った鉄が酸化して温度が均一化されるためです」