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「日本のように甘い時間が流れているわけではない」 フランスのクリスマス 日本人女性が驚愕したスケジュールとは

公開日:  /  更新日:

著者:Moyo

意外に手間と時間がかかるギフト選び

ギフトが積み重なったクリスマスツリー【写真:Moyo】
ギフトが積み重なったクリスマスツリー【写真:Moyo】

 献立作りやショッピングもなかなか大変ですが、その次に待ちかまえる難関はギフト選び。基本的に家族全員へ渡すものになるので、おばあちゃんから姪っ子まで一人ひとりに用意します(自分ももらう立場です)。だいたいの予算は1人あたり~50ユーロ(約8000円)くらいでしょうか。

 先日、イギリスからフランスを訪れた私の友人も、自分へのお土産ではなく、義理家族に渡すクリスマスギフト選びに夢中になっていました。もちろん選ぶ楽しみはあるのですが、やはり心のこもったギフトを一人ひとりに選ぶとなると、すぐには解決できません。

 ただ、チョコレートなどのお菓子、本、あるいはセカンドハンド(中古)でゲットしたおもちゃという話も聞いたことがあるので、料理同様、家庭それぞれの印象があります。

 イギリスの知り合いの家庭では、借金をしてまでさまざまなクリスマスギフトを用意するというケースも。しかし、そのギフトがすごいかと言われればそうでもなく、ガラクタやどうしようもないお菓子などをもらって困るという話も。

 今度は、それをラッピングするプロセスもあります。お店でラッピングしてくれないものは、自分たちでラッピング用紙を買い、デコレーションなども手作業でします。

 そして、これらのギフトを集めて24日、クリスマスツリーの下に置くところまでが一連の流れ。私の幼少期はそんなたいそうなことをやる習慣がなかったため、テレビや何かの話でしか見聞きしたことがなかった光景を、実際に目の当たりにしたときは圧巻でした。

 その一方で、日本のお正月のように、お年玉をあげるというシンプルな習慣が少し恋しくなるのも事実です。

クリスマス当日はロマンチック感はなし!

 そうした準備を経て迎えるクリスマス間近や当日は、朝からまた大忙し。昨年の話になりますが、デザートも手作りを選んだため、クリスマス前日は深夜から早朝までかかってブッシュドノエルを作りました。そして当日は、寝不足のなかアペロからスターター、メイン、サイドまで準備していくため、息つく暇もなく、ずっと動いています。

 日本のクリスマスのように、甘いロマンチックな時間が流れているわけではなく、ある意味2日間にわたるお祭りのような状態でしょうか。もちろん、急かされることなくパーティーの時間がゆっくり過ぎていくのは確かですが、意外に体力と気力のいる日々であることは間違いありません。

 そして、用意していたギフトを開けてもらったり、もらったギフトを開けたりする瞬間は、やはり楽しいもの。ただ、びっくりしたのは、こちらでは包装紙を豪快にビリビリと破るのが普通だということ。自分で用意したものについては「せっかくきれいに包装したのにな……」とか、お店で包装してもらったものには「何かの機会にまた使えそうなのにな……」と思いしながら眺めてしまうのは、日本人ならではでしょうか。

 みなさんも、素敵な楽しいクリスマスをお過ごしください!

(Moyo)

Moyo(モヨ)

新卒採用で日本の出版社に入社するも、心身ともに疲弊し20代後半にノープランで退職。それまでの海外経験は数度の旅行程度だったが、イギリスへ語学留学ののち移住した。そのまま、あれよあれよと7年の月日が経ち、現在はフランスに在住。ライター、エディター、翻訳家、コンサルタントとして活動している。最近ようやくチーズのおいしさに少し目覚める。